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ゲームレビュー ボクラの九龍城

ゲームばっかりやってる人のメモ帳

ファイナルファンタジー16

【評価 /10】
8点



【評価のざっくりした基準】
10:神ゲー
9:良作の一線を超える
8:良作
6~7:問題はあるが魅力がありオススメ
4~5:不満が多いので人を選ぶ
0~3:残念


【良い点】
幅広い人が楽しめるアクションRPGの新しい定義


現在世界でナンバーワンのMMORPGに君臨している『新生ファイナルファンタジー14』を運営しているスタッフが平行開発したファイナルファンタジー7年ぶりのナンバリング作品。キングダムハーツのスタッフや、ニーアオートマタのプラチナゲームズも開発に協力したことで話題になっていた。

自分は現役でFF14をプレイしている人間なので、吉田直樹氏を始めとする第三開発事業部の事を個人的に心から信頼かつ尊敬していたので、正直彼らが作るファイナルファンタジーなら絵作り、シナリオ、音楽、すべてにおいて間違いないと何の心配もしていなかったのた。いまや多くのゲーム会社がマネしているPLL(プロデューサーライブレター)という形でユーザーとの距離を縮めて一緒にゲームを作っていく雰囲気を重視していて、一人よがりなゲームを作る人達ではなく、誰に届けるのか?という狙ったターゲットに向かって狙って成功するゲームを作ることが出来る人達という印象。

では、本作はファイナルファンタジーナンバリングという看板を背負って開発した事でどうだったのか?

より一層彼らのバランス感覚の良さと、FFの看板を背負う苦悩も垣間見えた作品だった。

本作は明確にライトユーザーを置き去りにしないというコンセプトと「シナリオドリブン」という言葉をインタビューで発している通り一貫したシナリオに軸を置いた作品になっており、その他の要素を簡略化するなどしているのが特徴。これが良し悪し好みが分かれる部分がある賛否両論の作品になっていると思う。

どういう人にオススメか?と言えば、ファイナルファンタジーならば!と久しぶりにPS5ごと買ってゲームを遊んだ人達をメインターゲットにしているゲームで「アクションじゃ難しいかも…」と尻込みしている人は全く心配する必要がなく、誰でも遊びやすいオススメ出来る作品になっていると思う。

では、どういう人が否定的な意見にカテゴリされるかと言えば、ゲームをやり慣れている人、ハードなゲーマーやもっと遊びを求めている人にとっては物足りない部分が多くあるゲームと言えると思う。ファイナルファンタジーは過去作品もシナリオがメインの1、4、9や、システムがメインの3、5、12など、方向性が分かれていると思うがFF16は確実にシナリオドリブンという通り前者よりになっている印象。以下細かく話していく。

とはいえフロム信者の自分は戦闘はとても面白かったし、大きな話で今後ゲームの難易度を語る上での基準としてFF16は名前が頻繁に挙がるタイトルになるのではないか?と思っている。


バトルの操作性に関しては完璧というレベル。デビルメイクライの鈴木良太さんが参加しているということからどんな本格アクションになるんだ?と少々恐れていたがなんのその、そこは吉田さんがしっかり手綱を握っていてカジュアルな遊びやすさを重視していた。

簡単な操作や難易度だが、かっこよく操作をしている感覚を与える演出や上達感を感じさせる仕組みを丁寧に積み上げて構成されている。良い仕組みとして、FF11以来のマジックバーストという攻撃の合間に魔法ボタンを挟むことでより火力が出る仕組みがあるのだが、やらなきゃいけないというほどではなくプレイヤーがなんとなくうまくやっていると感じさせる素晴らしい仕組みでアクションが単調に感じず楽しむことが出来る。

回避についてもSEKIROのようにこの場合はジャンプじゃなきゃダメみたいのもほとんどなく、すべての攻撃に回避をタイミングよく合わせておけばお手軽にアドバンテージが取れるもので、今年出たウォーロンが頭をよぎるのだが、より遊びやすくしたような印象。バランスについても被弾しても死にゲーのようなバランスではなく回復アイテムを使う事で無理しなければほとんど死ぬことがない。

雑魚戦は無駄に堅くて退屈な時があるが、ボス戦はほぼ全て遊びが異なっていてかなりボリューミーで面白かった。

「そもそもFFでアクションしたくねーんだよ」そんなお客様。問題ございません。

FF16ならではというところで、本作はイージーノーマルというような難易度が存在せずに、アクセサリーの着脱を細かく調整することでアクションを簡易化する仕組みが素晴らしいと思った。ボタン一つ連打で魅せプレイしてくれたり、回避を勝手にしてくれたり、ポーションをピンチで飲んでくれたりと細かく調整できる。上手いプレイヤーも装備を調整して楽が出来るのでだるいときは回避はお任せなんてプレイも出来る。「それイージーで良くない?」と思うだろうが、負けたときにお前下手だからイージーにする?といわれるの不快じゃない?という感性が素晴らしいなと。デビルメイクライのような頑張って勝ったのに評価Eって言われる部分も排除していてそういうゲーマーの心理やプレイ度を考慮しているあたり、プレイヤーとしてゲームをやっている人間らしい発想で素晴らしいバランス感だなと感心した。

逆にクリア後にファイナルファンタジーチャレンジというやりこみ要素や寄り道でリスキーモブという強力な敵を戦うチャレンジなどもある。

繰り返しになるが、それほど難しいコンボやアクションが出来ないと勝てないというゲームではないので、あくまでプレイヤーが高度なコンボを決めるのは趣味の領域になっていて、適当操作でド派手な大技をぶっぱなしながら自己満足でコンボを決めて楽しむことが出来るハードルの低さはお手軽で良い。これは今回のターゲットを思うと大正解だと思う。

FF16の戦闘は幅広い範囲の人を楽しませる絶妙なデザインで特質して良かった。


演出の数々

召喚獣戦をはじめとするバトル演出は最高!これぞFFという感じのJRPG最高峰のグラフィックとド派手な演出に胸躍る。
戦闘中のバトルエフェクトも簡単な操作でド派手な演出を楽しめるようなものでアクションバトルにマッチしていて素晴らしい。

ムービーや会話シーンでは表情豊かに演出され感情表現の細かさに驚き圧倒される。
ドラマをより引き立てる事に成功していた。もはや映画がという例えではなくそのままの意味になっている。

祖堅さんの作るBGMもFF14同様に素晴らしく、今回画面に映るシーンにあわせて音楽が鳴るというAI?か何かで演出する仕組みが入っていたそうで人によって音楽が入るタイミングなどが異なっていたそうだが(謎技術)とにかくどのシーンも音楽がマッチしていて素晴らしかった。サントラも即購入。



【不満点】
前半のテンポ


前廣和豊さんのシナリオは大好きでFF14では涙を流すほどに胸を打たれて忘れられないようなシーンやセリフがたくさんある。本作16はどうか?いわれるとキャラクターは良かったと思うし、良いシーンもあるのだが、全体の構成や与えるテンポの悪さを感じて個人的にマイナスが大きかったように思う。

特に前半のゲームテンポの遅さ。アクションの拡張も含めて序盤が本当に緩やかで、シナリオドリブンの影響もあるが、具体的には10時間くらいアクションも増えて行かないし話もだらっとしていてサブクエも世界の差別話ばかりで退屈な時間が長い。

だが、ある程度進めていくとサブクエストにキャラクター一人一人を深く落とし込むような表現もあって特に終盤畳みかけるようにそれが詰め込まれているのだが、もっとバランスよくこれを構成できれば印象が違ったかもと感じた。このゲームは深くやっていくほど世界やキャラ好きになっていくし、面白くなっていくので前半で折れた人はぜひもう少し頑張ってやってみて欲しい。

ちなみに自分が好きなキャラはガブ、バイロンおじさん、トルガルなどサブキャラが多い。


フィールドの探索や成長収集などRPGらしい遊びが薄い


ジョブ、マテリア、装備というような育成や収集に関わる要素が本作はかなり簡略化されている。
武器、防具に特殊効果がなくステータスのみ。アクセサリーに特殊効果がついていてこちらにはビルド的要素があるのだが、こちらはマニアックな内容でそんなに細かく入れ替えるようなものではない。バーサーカーリングというつけるだけで回避がド派手になるアクセがあるのだがこういうのはもっと増やして欲しかった。

今回オープンワールドではない。その代わり密度が濃いマップなのか?というと全然そんなことはない。でかいマップに遊びがあまりないわりにファストトラベルがでかく刻まれていて無意味な移動というと聞こえがが悪いが景色を見るくらいしか楽しみがない移動が多い。道なりにシナリオや濃いドラマが展開するとか、ダンジョンを見つけてそこに強い装備があった!とかこの装備を手に入れたからこの素材を集めて装備を作成してシナジーを発生させよう!とかもう少しRPGらしい遊びが欲しい。

コンセプトが対極だと思うのでしょうがないのだが、最近ティアキンやディアブロというストーリーより遊びを重視するゲームをさんざんやっているので余計に感じてしまった。


オリジナリティ


FFらしさとは何か?FFとは毎回形を変えるもので、「新しい挑戦をする事がFFである」ともいえるのだが、じゃあFF16って新しい大きな挑戦を実現したのか?と言えば、良い点で言った通りプレイヤーの幅を広げるという点での施策は新しい。総じて合格点は確実に超えている作品なのだが、15の延長にあるものという感覚もしているのでそこもはっきりそうだ!と言い切れない感覚。

多くの人を取りに行った事で、FF3のジョブ、FF12ガンビット、FF13オプティマ、尖ったオリジナリティみたいな部分での大きなチャレンジはしていないが、先ほど言った通り多くのユーザーを取りに行くアクションの基準は作ったと思う。

斬新さを目指さないという判断をしなかった結果なので彼らは何も間違っていないが、世の中でみればFF7Rのウェイトアクションのが個性的になっていてFF16の方がむしろ汎用的になったとも言える。新しいものを生み出せる開発チームだと思うので今後が楽しみ。




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  1. 2023/07/21(金) 21:52:14|
  2.  ├PlayStation 5
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バイオハザード RE:4

【評価 /10】
8点


【評価のざっくりした基準】
10:神ゲー
9:良作の一線を超える
8:良作
6~7:問題はあるが十分遊べる
4~5:不満が多いのでオススメしづらい
0~3:残念


【良い点】
TPSの傑作、上質リメイクで復活!


バイオハザードTPS転機のタイトルかつ、その後TPSタイプのタイトルに多大なる影響を与えた傑作バイオハザード4のリメイク作品。2.3に続くREシリーズのフルリメイク3作目で、本作も多くの新規要素や変更がされ、ストーリーも再構築されている。

グラフィックは大幅進化しているとはいえ、RE2に比べると原作がゲームキューブ時代というのもあってそれほど激しい差のあるリメイクではなかったり昨今のバイオハザードヴィレッジなどを遊んだ直後なので驚きのようなものはないが非常にクオリティが高い。

ナイフパリィでアクション性向上
本作の特徴として一番大きいのはナイフによるパリィとナイフの耐久管理。
相手の物理攻撃やボウガンのような飛び道具をジャストタイミングでL1ボタンを押す事ではじいてチャンスを作る事が出来る。
これによって走って距離をとって頭を撃ち蹴る以外の選択肢として近づかれた状態で仁王立ちして対応が可能になった。
とはいえ、スタンロッドや溶解液、投げや即死攻撃等は捌けないのでパリィで全て何とかなるという事はないのだが、4が持つ面倒な部分やストレスを大胆に解消していた印象。「これバイオか?」と思っちゃうような部分もあるがアクションゲームとしては素直に面白くなっている。

今回クラフト要素があって携行品や弾を自分で選択して作ったりできるので、改造した武器に合わせて装備や薬を作ってアイテム残数をやりくりしながら遊ぶバイオらしい部分はとても楽しい。

ストーリーは大胆にカットされているパートがあるものの、一部キャラクターが掘り下げて表現されてドラマ部分は強化している。
日本語ボイスで完全吹き替えしているのも嬉しい。(武器商品が千葉繁さんなのは最高だった)

チャームという概念が追加され、3枠装備することでアイテムやクラフトの効果を上昇させたり出来、それを収集する遊びもある。

マップにアイテムの位置が表示されるので取り逃しなどもやりづらく遊びやすい。

やりこみ要素も豊富で周回プレイはたっぷり楽しめそう。


【不満点】
特別悪い所は少ないが…

目立ってここが悪い!という部分はないのだが、アクション性が向上した事により主人公が強すぎて一層ホラーゲーム感が薄れている。ずっとマーセナリーズをやっているような感覚があるほどにバトルが中心。(元々4ってそういう寄りなんだけどより一層)
アクションゲームとして面白いけどこれバイオだっけ?みたいな感覚が強めに感じる。

テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

  1. 2023/04/03(月) 21:47:10|
  2.  ├PlayStation 5
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Wo Long Fallen Dynasty(ウォーロン フォールン ダイナスティ)

【評価 /10】
8点


【評価のざっくりした基準】
10:神ゲー
9:良作の一線を超える
8:良作
6~7:問題はあるが十分遊べる
4~5:不満が多いのでオススメしづらい
0~3:残念


【良い点】
ウォーロン依存症になりそう?圧倒的「化勁」の爽快感


仁王を開発したTeam NINJAの新作。買う前のイメージはざっくり三国志版仁王?なイメージのタイトルなわけだが、実際は結構違った。仁王2は装備の種類、豊富なアクション、装備の効果などかなりボリューミーで悪く言えば複雑な印象があったのだが、本作は心機一転コンパクトに整理しており、システムや操作を大幅に簡略化。仁王のようなハクスラ要素はあるのだが、比重的にかなりアクションの爽快感に特化しており安易な仁王のコピーというゲームでは全くない。

ウォーロンの肝「化勁(かけい)」
化勁ってなんやねん?シンプルに言うとパリィ。
敵の攻撃に合わせてタイミングよくボタンを押すと無傷かつ攻撃のアドバンテージをとれる。SEKIROの防御に徹することでチャンスが出来る思想。「そんなの他所のゲームもあるじゃん」と思うかもしれないが、他のゲームと何が違うのか?というと、ここに異常に特化している点。ウォーロンをやったら今後アクションゲームをやるたびに物足りなくなりそうなほどの異常な気持ちよさを実現している。

SEKIROを始め、多くのゲームはパリィしつつもこの赤い予兆攻撃だけは回避しろってのがよくあるが、本作は近距離はもちろん、弓やゲロみたいな遠距離攻撃、赤い予兆の大技ほぼ全ての攻撃を化勁することが出来る。赤=避けろではなく、大きなピンチだが化勁を決めれば大チャンスとなるので頑張って化勁を決めろ!となる。敵の予兆は過剰なほどに大きく、受付もおおらかで比較的決めやすい。敵には必ず大きく赤く光る予兆攻撃があってそこを化勁すると大きな隙を作ることが出来る。何より演出が最高に気持ちいいので上達してくると相手の連続攻撃を完封して自分の技術に酔いしれる事が出来る。


士気ランクによる難易度コントロール


と言っても難しいでしょ?と聞かれると、さすがに簡単なゲームではないのだが、難易度を下げる要素がたくさんある。

その中でも本作だけの特徴として士気ランクというものがある。
プレイヤーとステージにいる敵全てに「士気ランク」というレベル以外のパラメーターがあってシンプルに言うと自分が士気ランク1の時に3の敵に挑むと不利という感じ。(FF11のとてつよ的概念)この士気ランクは敵を倒したり、ステージ内に旗を立てられる場所が複数あって発見して制圧し旗を立てるとことで上昇する。逆に倒されたり、相手の大技を食らうと士気ランクを相手に奪われたりもする。何言ってるかわからないかもしれないが、ざっくり言うとじっくりマップ探索すると雑魚もボスも楽になるという仕組みでアクションが苦手な人ほどじっくり探索して士気ランクを上げ、装備を整え、レベルを上げたらかなり遊びやすくなる。

あと操作的な部分でも、本作は防御が非常に強力で、防御をいれながら化勁を狙うという事を意識すると大抵の敵を対処できるので、かなり遊びやすいゲームだと思っている。あとはマルチプレイが手軽に出来るので、野良&フレンドと挑んだらかなりぬるくなるのでそれで手軽に楽しむのも良いと思う。

世の中のアクションゲームと比較しても爽快なパリィゲームとして一線を画しているのでSEKIROで心が折れた人にぜひ遊んで見て欲しい。



【不満点】
ボリューム、ストーリーが薄い

メインストーリーを直進すると15時間、全クエスト制覇で20時間~25時間。もちろん仁王のようなクリア後遊びなどもあるので2周目はクリア後の難易度以上で2周目限定のレアリティの装備を狙っていく。大体仁王初代くらいのボリュームはあるイメージ感なので決して極小というわけではないのだが、クエストもクリーチャーの種類も装備の種類もボリュームが少ないと感じる。仁王2は1を踏まえていたので、シリーズファンが立て続けに買ったら凄まじいボリューム感だったのだが、今回仕切り直しなのでその印象から比べると余計に感じてしまうと思う。

ストーリーは三国志で言えばこれから3国が立ち戦うという始まるという序盤の大きな戦である「官渡の戦い」までなので、丁寧に描いてくれるのは嬉しいのだが、三国志のストーリーを見たいという自分としても「え?そこまでなの?」という印象を受けた。ちなみに有料DLCを3回配信して年内に荊州平定あたりまでを描く予定らしい。2で赤壁とか五丈原までかな?という感じ。

一番の不満点としてはストーリーの内容自体も全体的に薄味で主要キャラも紹介程度で人物像を表現する時間がほとんどない。ウォーロンの世界の三国志ではこんな人物なんだ…というような驚きも呂布以外はないのでストーリー部分はおまけ程度舞台装置という感じがして残念。



テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

  1. 2023/03/20(月) 21:52:58|
  2.  ├PlayStation 5
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ホグワーツレガシー

【評価 /10】
8点


【○】
■ハリーポッター愛に溢れた完成度の高いオープンワールドRPG
斬新さはないがやるべきことをやったという感じの非常に丁寧に作られたオープンワールドRPG。
正直買う前はここまでのクオリティのものが出てくるとは思ってなくて驚かされた。
ハリーポッターファンには感涙ものな作りこみで、映画くらいしか見てない自分でも終始楽しめたし
ウィッチャー3やオリジンズ以降のRPGよりのアサシンクリードシリーズなどが好きな人にも強くおススメしたい。

・愛に溢れたオープンワールド
何はともあれ最高なのはホグワーツ学園内。このゲームを作った人達がどれだけハリーポッターを好きなのかをひしひしと感じる。飾ってある全ての絵が動いて雑談したり演奏したり、謎解きをする事で開く隠し部屋があったり、急に喧嘩をはじめる飾り鎧などあげだすときりがない。細かい所まで驚異的に作りこまれていて感動する。これは作れと言われて作れるのではない創作者の熱意と開発環境がかみあった奇跡のような作品だと思う。今後この開発が作るゲームが楽しみになった。

・アクション性の高いカウンターバトル
アサシンクリードをベースに持ちアーカムシリーズ、スパイダーマンシリーズ、ウィッチャーシリーズなどにも継承されているような
頭の上に出る敵の攻撃予兆を見切ってタイミングよくカウンターを決めたり、
赤色の予兆攻撃はガード出来ないので回避で捌くというようなよくあるやりごたえのある3Dアクションバトルをベースにしている。

さらに敵に色のついたバリアーが貼られてその色にあった系統の魔法を使って破壊するという概念があったり
魔法にもかなりの種類があって相手を浮かせて動けない間に攻撃したり、相手を爆弾にかえて敵の集団に投げ込んだりと様々なことが出来るのでプレイヤーがこういうコンボはどうだろう?と組みあわせを考えてクリエイティブに戦うことが出来る。

・謎解き
ホグワーツ内を中心に数々の魔法を駆使して謎解きをして隠し部屋を発見したり宝を手に入れていくのだが、
レールにハマった箱を動かすようなものとは違ってブロックを浮かせて好きな場所につんで道を作ったりと想像力を駆使するものが多くとても楽しい。

・BGM
サウンド回りは物凄く良かった。ハリーポッターの世界観にばっちりあった素晴らしいサウンドトラック。
環境BGMからドラマへのつなぎなどもとても良く感心した。


【×】
■ストーリーは残念
結論、世界観や舞台装置はばっちりだか、ドラマの部分は総じて弱かった。

設定はハリーポッターの100年前の物語。主人公はホグワーツでは珍しい5年生から編入する特例の生徒で古代呪文が見える不思議な力のせいで大きな物語に巻き込まれていくという設定。登場するキャラクター達は全てオリジナル、ハリーの時代とは比較にならないほど学生のモラルが高く魅力的な子が多い。ハリー時代のキャラクターと同一人物は出てこないが名高い名家の人物などが複数登場するのでファンは楽しめると思う。

悪かった点について
具体的にはメインストーリーやクエスト全体的なドラマの弱さ、キャラクター達の掘り下げ不足。
先生達は個性的で冒頭の印象は良かったのだが、その後ほとんど掘り下げはなく、どうでもいいおつかいクエストを減らしてでもこの登場人物一人一人の魅力を掘り下げるようなクエストを作ったほうが良かったかなと…大半のキャラが薄味で終わってしまったのは残念だった。ポケモンSVをやって影響もあるがもっと授業をしっかり受けたいなという欲求。テストを受けて補修や落第があるとか…

主人公はドラクエタイプで、相槌を打つだけの存在になってる印象。小さい選択肢はあるがほとんど分岐はない。プレイヤーの自由な選択をやるなら分岐を徹底的に作れないと主人公はリアクションするだけの薄い存在になってしまいがちでそれを地で行ってしまった感じがする。

それによってうまく人格を乗せられていないような感じで
俺の主人公の印象は八方美人の気分屋で、密猟者を殺す度に動物を狩る密猟者はごみ同然みたいなコメントをする仙水忍、ケンシロウメンタルなのはとがりがあってちょっと笑えるのだがなーんかずっとこいつは俺じゃないなとかこいつは一体何考えてんだって思いながら遊んでいた。

基本メインもサブクエストもほぼ一本道で結果の選択でセリフが変わるくらいのものがほとんどなので、細かな選択分岐や人格を感じるリアクションなどをしっかり作ってそれに見合ったドラマの流れがしっかり分岐していけば最高だった。
プレイヤーの選択によってもっと気持ちや考え方を深く描写して欲しかった。ざっくり言うとウィッチャー3にして欲しかったって話なんだけど

普段いい人だけど、各村の家でもの盗んで、密猟者が虐殺して、
ゲームの時代でも御法度な許されざる呪文をお構いなしに撃ちまくっても
「それはそれ」ってなってるんでもったいない。
スカイリムみたいにちゃんと罪に問われたりヴォルデモートよりやばいやつになってアズカバンに入れられたりと
闇の魔法使いになっていくルートとか大きくあっても面白そうだなーと

スリザリンのメインキャラふたりが好きでそのクエストは良かったと思うのだが、その他全般がもう一つな内容だった。
まずローカライズについては素晴らしい。完全吹き替えかつ、口の動きも日本語に合わせていて完璧だった。


■外のロケーションの遊びが繰り返し
ホグワーツの外は盗賊のキャンプか謎解き洞窟で敵のパターンはそれほど多くない。
どうしてもかさましや繰り返しに感じる部分はある。


■快適性にちと不満
エリアチェンジで読み込む
装備売却が頻繁すぎてだるい



【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える(オススメ)
8:良作(安定)
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:低クオリティ、バグ大、コンテンツ少
0~3:残念

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  1. 2023/03/03(金) 21:34:03|
  2.  ├PlayStation 5
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ワンピースオデッセイ

【評価 /10】
5点


【○】
■グラフィック
アニメっぽい絵作りもいいし、技演出がとにかくかっこよくボリュームもたくさんあったり、ドラマムービーが良く作られたりとクオリティが高い。巨大なアラバスタやウォーターセブンの街を再現したり、NPCや敵キャラクターもワンピースっぽいデザインで良かった。キャラクターはぼったちだと少し不気味だったりリップシンクがとれてなくて違和感がはあったりと気になる部分もちらほらあるが良い部分の方が多かった。


■戦闘と成長
単調だが無難な作り。
ドラクエ11の開発にもかかわった株式会社イルカが開発しており、ワンピースの大半のゲームはアクションだが本作はまさかのコマンドバトルRPGになっている。3すくみのじゃんけんとエリアの概念があることで各キャラクターの用途などをうまく作っていてワンピースファンで普段そんなにゲームをしないようなRPG初心者でも楽しめるバランス。

悪い点と言える部分でもあるが、バランスはハチャメチャ。装備合成でとんでもないパラメーターにできるので最終的にはじゃんけんも無視した範囲攻撃で圧倒したりボスを瞬殺したりするなどかなり乱暴なバランシングで、普通のRPGで考えると崩壊レベルなのだが、おかげでテンポは良かったのでまあありかなと。かなり高度なバトルを楽しみたいとか、やりこみたいみたいな人にはあまり向いてない。


■経験値爆増前提バランス
戦闘中に1ターン以内にこの敵を倒せみたいななんてことないミッションを達成すると経験値が爆増(10倍とか)するボーナスシステムは妙な快感があって面白かった。



【×】
■ストーリー
全部が悪いという感じではない。
オリジナルキャラクターが魅力的だし、良い点の通りアラバスタなどの過去のエリアで良く作りこまれた部分もある。

・これだよこれってのが弱いのとペース配分
時系列で言うとホールケーキアイランド前くらいの麦わら海賊団がとある島にたどり着きオリジナルキャラクターに力を奪われ、過去のアラバスタやウォーターセブンなどの思い出の世界に行きもう一度強敵を倒す事で力を取り戻すというメインの流れがある。それによってメリー号やエースに会って感無量になる場面などはとても良かったし、ごく一部ではこういう展開が見たかったんだよっていうようなサプライズもあるのだが、大半は過去の名シーンの繰り返しだったりぶちぶちと刻んだ内容を見る事で単調印象。未来のルフィが一言一句間違えずに同じこと言うとか違和感しかないし、過去の出来事を変えられないとしても知ったうえであがいて苦悩する姿とか見れても良かったんだろうなあ。個人的には過去に戻ったからならではのIFの展開のサプライズをもっと強くしてほしかった。

ゲーム全体のペース配分も不思議で
アラバスタが10時間、ウォーターセブンが5時間、頂上決戦が40分、その後も短めみたいな感じでちょっと不思議なペース配分になっている。アラバスタは無駄に長いと感じるテンポの悪さがあり、頂上決戦は白ヒげすら出てこないしむしろ見たいものが見れない。出て欲しいキャラが出てこないという感じで肩透かし。


■テンポが悪い
色々な理由があるが、

・メインストーリーで露骨な時間稼ぎの行ったり来たりをさせる
プレイ時間の確保というのがありありとしてる

・移動速度が遅い
走っていても通常速度くらい

・フィールドアクションの切り替えが手間
遠くで掴まれる場所があったらルフィ、鉄の壁はゾロ、狭い場所はチョッパーとそれぞれに細かく切り替える必要があるのだが手間。

・戦闘での優劣替え
相性が悪いエリアに入ったら場所を入れ替える事でいくらでも対応できるので無駄な手間が発生する。
その状況でなんとかしろって方がいい気がする。


【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える(オススメ)
8:良作(安定)
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:低クオリティ、バグ大、コンテンツ少
0~3:残念

テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

  1. 2023/01/20(金) 21:11:54|
  2.  ├PlayStation 5
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タクティクスオウガリボーン

【評価 /10】
10点



【○】
■奇跡のようなリメイク
このタクティクスオウガは1995年にクエスト社から発売され大ヒットし個人的にも衝撃を受けた作品。小さい時からゲームは好きでずっと遊んでいたけど同じくらい映画が好きでたくさん見ていたから、ゲームは面白いけどドラマや物語という点では映画に及ばないと、どこかでワンランク下のエンタメという風に感じていた部分があった。でもこのゲームは映画にも匹敵する、いや自分で物語を選択することが出来る映画にすら出来ないエンターテイメントなんだって気づかせてくれ感銘を受けた作品。

「タクティクスオウガが名作なのは知ってるけどこれ大丈夫なの?」
そんな風に思ってしまう人はいるだろう。なぜかって近年スクエニさんのなつかしき名作系のリメイクリマスター作品が本当に多かったわけだがライブアライブ、フロントミッション、ヴァルキリープロファイル、レジェンドオブマナ、ミンサガ、クロノクロスなどなど…
それらのリメイクリマスター作品は天と地の差ほどクオリティに差があるので不安に思う人がいるのもしょうがない。
片やフルボイス化されたり追加イベントが作られたり、片や現在の最新版ですらない移植になったり、バグやロード問題など。

これらはどうして明暗分かれてしまうのか?これは当時の開発に関わった中心人物が現役で強い立場をもって開発に参加しているかどうか?に尽きると思う。良い物はどれもスクウェア創世記からのレジェンド開発者さんが現役で活躍していて積極的に開発に参加しているものという印象。ではタクティクスオウガはどうなのか?

安心して下さい。こっちは完璧以上のリメイクとなっております。
レジェンドクリエイターである松野泰己さん、吉田明彦さん、崎元仁さんが全員スクウェア・エニックスを退社されているとはいえ、今もFF14の開発に参加したりと密な関係というのもあって、再集結して本作に関わっている。

変更点は多岐に渡るので大きい物を

・フルボイス&サウンド再レコーディング
素晴らしいストーリーが豪華声優陣によって最高のものに。音楽も素晴らしい。

・バトルシステムの大幅な調整
これは賛否あるが、一つはユニオンレベルというレベルキャップを搭載したことにより一定の難易度が保たれるようになりレベルをアホみたいに上げてらくらく抜けるという選択肢が封じられた。

もう一つがバフカード。戦闘中にランダムで能力が上昇するバフが湧いてそれを拾う事でパワーアップするため膠着がおこりづらく、不利な闘いでも運次第でチャンスが出来たり圧倒する場面やされる場面が出来るなどの揺らぎが出来てとても刺激的になっている。

スキルやバランスにも大幅な修正が入っていて、スーファミ、PSPと遊んでいるが、これもうタクティクスオウガの新作だよね?というレベルで変わっている。

・遊びやすさの向上
倍速モードやスキップ機能により繰り返しても快適に。
PSPから実装された自分の選択次第で手数を巻き戻す「運命の輪」などを使うことで難しいステージやドロップ堀りも楽になっている。

冒頭で奇跡という言葉を使ったが、かなり古いタイトルを松野さん自身が全力で作り直しているんだけど、普通だったらこういう事って大人のしがらみがあったりしてかなわない事もあると思うんだよね。メタルギアの小島さんみたいにさ。過去の名作が同じ作った人の心残りやファンの意見を踏襲して直されて遊べるとかこの関連で松野さんがyoutubeで直々に説明したる様子を見てて凄い事だなあ…とじーんとしてました。

ゲームとして今やっても装備やスキルを構築してシナジーを発生させていくのが本当に面白くてSRPGとして隙のない本当に面白いゲームだなーと改めて感じましたね。こういうリメイクならいくらでもやりたいし、これが松野さんの完全新作につながるといいなーと思ってます。


【×】
■ほぼないが・・・
強いて言うならクリア後の死者の迷宮のパラメーターシンク。
ここまで来たら育てたパワー全開で遊ばせて欲しいなって思った。
これに関連してレベルシンクに対して批判的な意見があるのもわかる。
だが、もはや新作というレベルで体験が変化したこの作品を自分は大肯定。


【おまけ】
このゲームを買うならぶっちゃけswitchがオススメ。延々アイテム掘りをオートでするのに便利。
スチームデックあるならPC版でもOK

【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える(オススメ)
8:良作(安定)
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:低クオリティ、バグ大、コンテンツ少
0~3:残念

テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

  1. 2023/01/17(火) 18:52:22|
  2.  ├PlayStation 5
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クライシスコア ファイナルファンタジー7 リユニオン

【評価 /10】
8点



【○】
■色褪せない名作に足りなかったものが15年越しに追加
「リメイクではないがそれくらい手間をかけたリマスター」と開発者がインタビューで語っている。

2007年にPSPで発売したFF7の前日譚。
その後のファイナルファンタジーシリーズがバトルをアクション化していったものの限りなく基礎と言える作品で最新作FF7リメイクを遊んでから改めて遊ぶとよりそれを強く感じる意欲作。本作はそれに追加要素や遊びやすさの改良を加えてより良い作品へと昇華している素晴らしいリマスターだった。

どういった点が変わったのか?ということについては

・グラフィックのHD化、BGMアレンジ
恩恵を強く感じる。演出表現も強化されていて通常攻撃を入れているだけでも爽快でド派手。召喚獣や名シーンで圧巻のムービーを見ることが出来る。BGMも全般的にとても良かった。

・シナリオ
基本的に追加はないと思うのだが一番大きいのはフルボイス対応。
こういっちゃなんだがどうでもいいNPCまでフルボイス化していてとてもありがたい。
最高のドラマを堪能することが出来る。
FF7リメイクを遊んだ人は知っていると思うが、この作品を改めて遊ぶことで次回作をより楽しめることは間違いないので

・快適性向上
UIが一新、カメラの操作が向上しフィールドでもダッシュやボスに負けたときに編成からやり直すコンテニューなど細かく選ぶことが出来る。すべてのムービーもスキップ可能。かなり遊びやすくなった。

・戦闘
FF7リメイクを遊んだ直後にクライシスコアの原作を遊んだのだがその時も出来栄えに驚いたものだが、先ほど言ったような演出の強化や、スピード感の向上、コンボによってダメージが上がるシステムの追加、FF7リメイクから輸入された構えからの強撃システム、ボスが大技を詠唱しているのを攻撃してダメージを軽減、阻止する仕組みなどかなりいろいろな要素が追加されている。

それにしてもDMW(デジタルマインドウェーブ)という戦闘中にスロットが回って出目で召喚獣が出てきたりリミットブレイクが打てたり無敵になったりMPが無限になったりと様々な効果があるシステムが原作同様あるのだが、このシステムの素晴らしさを改めて強く感じた。ややこしい操作などを覚える必要はなく勝手にポジティブな展開が様々発生し繰り返す戦闘に変化と刺激を作り出す本当に優秀なシステム。近年ヒットしたヴァンパイアサバイバーにも似た感覚がありこの仕組みがよそでマネされてないのが謎なくらい。これがあるかないかで全然バトルの面白さが違ってくると思う。


・やりこみ要素
ミッションが200以上あり淡々としている部分も大いにあるのだが、戦闘と育成が面白いゲームなので十分にやりこみを楽しむことが出来る。マテリア合成で細かなパラメータが変わる仕組みなどはマニアックで無視してるが理解するととても面白い。



【×】
■このゲーム単体で買うことがオススメか?というと疑問
FF7リメイクを今後も遊ぶ、過去にFF7サーガのゲームを遊んだことがあるみたいな人にはオススメ出来るゲームだが本当にこれ単体で遊ぶとなると物足りない部分が多いゲームだと思う。


■古いゲームらしい問題
ここでこれ取り逃したらアウトとかクリア後セーブしたらどうしようもないみたいな昔のスクウェアらしい感覚はそのまま。


【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える(オススメ)
8:良作(安定)
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:低クオリティ、バグ大、コンテンツ少
0~3:残念

テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

  1. 2022/12/21(水) 23:31:37|
  2.  ├PlayStation 5
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ゴッドオブウォーラグナロク

【評価 /10】
10点


前作レビュー


【○】
■美しいグラフィックと最高クラスのスペック
美しい北欧をテーマとした非常に作りこまれたマップの数々。
凄まじく巨大な神話の怪物との戦いが高FPSで安定して楽しめる。
PS5のパフォーマンスを感じるのにふさわしいタイトル。

北欧神話にある九つの世界を見事に表現しており
一瞬通り過ぎるような場面も止まってみればアートボードを見ているように感じるほどの作りこみ。
足を止めて壮大な風景や野生動物などを眺めているだけでも楽しいし、
ドラマシーンではキャラクターの表情は質感など凄まじいクオリティ。


■ストーリー
2018年にリリースした前作では再構築され、バトルシステムなども大幅に変化しているのだが、一番大きな変化はドラマ部分。
旧シリーズで全てを破壊したギリシャから去り北欧の地で伴侶に出会ったクレイトスには既に家族が出来ており、さらに冒頭では既に亡くなっている妻の遺言に従って幼い息子アトレウスと共に過酷な旅を乗り越えながら絆を深める物語になっていた。
本作は新シリーズの完結編となっているのと同時にクレイトスの長い旅の終わりを描いている。

旧シリーズではクレイトスの怒りと復讐にまみれた孤独な闘いの物語で、正直ストーリーは舞台装置で圧倒的なパワーで神話の神々や怪物をなぎ倒す爽快感を楽しむ部分が強かった印象。だが本作では、ずっと孤独に戦い続けたクレイトスが子供との距離感に苦しんだり、仲間達と冗談を交わし合ったり思いやったりしながら心の成長を見る事が出来る。「きっとこうなるんだろうな」っていう浅い展開をしっかり裏切ってくれて素晴らしいシーンをいくつも見せてくれた。例えば映画のジョーカーのようにこのIPを使わなくても描けたであろうという作品と違って、旧シリーズがあったこそ今作のドラマが引き立つ形になっていて、その結末には涙を我慢できなかった。本当に素晴らしい解釈の新シリーズ化だったと思う。それにしてもゴッドオブウォーの最大の魅力がストーリーになるとは誰が予想したか…

ストーリーの良さには完璧なローカライズもポイント。声優さんの演技も素晴らしい。

豊富なサブクエストと、道行く時の何気ない会話がとんでもない量フルボイスで流れるのと、それらが中断されても保存され改めて再生してくれる機能などは全部のゲームに入れて欲しい。


■戦闘とビルド
ここは前作から大きな変化はないが、既に完成されている素晴らしいバトル。
アクションゲームお手本とも言える操作は単純でレスポンスは最高。
ゴア表現全力のフィニッシュムーブはシリーズ伝統。
片手斧リヴァイアサンを投げてから手元に戻した時の感触だけでこのゲームの一流さを感じられる。

肝は相手のアクションを覚えてガードやパリィをきっちり入れながら体幹的概念もあるSEKIROライクなバトルで
何度もやられながら強敵の動きを覚えて突破した時に大きな達成感を得ることが出来る。
ただこちらにはSEKIROと違って成長の概念があるので装備やビルドを充実させることで遊びやすくなっている。

リヴァイアサン、ブレイズ・オブ・カオス以外に新しい武器が追加されているのと、仲間のスキルや連携要素、ルーンアタックという必殺技も複数あってスキルと装備のアタッチメントのシナジーを考えてビルドするような遊びも追加されており遊びの幅がかなり大きくなっている印象。特に好きなのは体力が大きい敵もノックバック系のスキルで崖下に落とせば即死させたり敵同士の同士討ちや環境を使ったダメージを稼げる場面なども多く一辺倒ではない遊びの幅が仕込まれている。

前作でいうヴァルキリーのような寄り道の強敵やチャレンジももちろん充実している。

ゲームオーバーしてもすぐにHPMAXで再開するので再チャレンジが簡単で快適に遊べる。


■ボリューム
完成された前作というベースがあるのもあるし、元々3部作だった残り2作分をまとめたという話の通りかなりのボリューム感。
ストーリーで30時間前後、全て遊びつくして40時間以上という感じ。

全てにおいて他作品より頭一つ抜けたクオリティのゲームである事は間違いない。



【×】
■革新性はない
前作で完成されたシステムを大幅ボリュームアップさせたものなので、前作ファンはマストバイだし約束された完成度。

・PS5専用コントローラー「DualSense」の利用は薄め
革新性に結び付く部分だが、PS5ならではの体験としては「DualSense」の機能をどれだけ使っているかだが、多少音が出たりトリガーが重くなる瞬間はあるが控えめに入れている感じなので開発者的にはあまり望んでいないのではないかと思う。


・閉塞されたプレイ感
マップの移動に自由度はなく道が決まっている構造なので、いわゆる見えない壁みたいなものが多く、こんな超人的能力を持ったキャラがこの程度の飛び越えや岩を障害とするわけないだろっていう違和感と不自由さを感じる場面がチラホラある。大筋決まったルートだけどひとつのマップ内で細かな飛び降りや飛び越えみたいな場所がもっと作られていたら良かったように思う。想像の範疇を超える遊びはなかった。


■体力回復
強力なバトルの後にHPが減っていると次の敵でまず死んでから全快してスタートになるのが非効率なので
戦闘後はじわじわ回復でもいいのかなと。


■UI
タッチパッドを押すと直近の操作が出たりして使いづらい。
地図を使って目的地を探すときにわかりづらく迷ったりする。


【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える(オススメ)
8:良作(安定)
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:低クオリティ、バグ大、コンテンツ少
0~3:残念



テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

  1. 2022/12/01(木) 21:08:52|
  2.  ├PlayStation 5
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

スターオーシャン6

【評価 /10】
7点



【○】
■DUMAを使った高速移動と戦闘の立体化
一番の個性であり進化ポイント。オープンワールドではないが、かなり広いオープンフィールドを駆け抜けシームレスなバトルが楽しめる本作。DUMAという機械に補助されることでキャラクターが20メートルくらい自由に飛ぶことが出来る。これは縦軸への移動も可能でこれを使って山の上に登ったり屋根の上を移動することも可能なっている。RPGによくある面倒な移動を簡略化しているのと広いフィールドを疾走する感覚が気持ち良い。単調な移動を楽しい遊びに変えている。

さらに戦闘面では敵をターゲットしてこのダッシュを使うと高速で突撃して奇襲をする事が出来、敵は奇襲を受けると一定時間スタンするので一方的にボコる所からスタートできる。戦闘中にDUMAを利用して巨大な敵の顔めがけて飛んでいくような立体的なアクションも可能となっているし、DUMAで敵に突撃する途中に左右にダッシュして方向を急速旋回することで敵が驚いてスタンになるブラインドという仕組みも面白い。

従来のスターオーシャンらしいバトルの中に新しいエッセンスが加えられているのだがアクション性が高まりつつ操作していて気持ちが良い素晴らしい仕組み。


■帰ってきた王道のスターオーシャン
3くらいのスターオーシャンが帰ってきたような感覚。
ストーリーはスターオーシャンシリーズのあるあるな展開というか王道シナリオ。
キャラクターはとても魅力的。ストーリーは終盤盛り上がりに欠ける印象。
プライベートアクションによるキャラ同士のイベントや個別エンディングなどもある。
主人公をはじめ全体的に大人なキャラクターで固められていて政治の概念を絡めた良いシナリオだったと思う。

戦闘バランスはピーキーでまともに戦うと一瞬で殺されるような敵をハメ技スキルで拘束したり、アイテムクリエイションでぶっ壊れた装備を作ったりと昔ながらの遊び心地が実現していて「そうそうスターオーシャンとかトライエースのゲームってこういうゲームだよ」というファンには嬉しい感覚。良く言えばなつかしいが悪く言えば粗けずりで古さを感じるRPGと言える。

クリアにはレベル80前後で問題ないが、恒例の隠しダンジョンがあり恒例のあの人達がいる。そこではレベル200を超えるやりこみが可能となっているのも王道。

25周年作品という事で全体的に守りに入っているようにも感じるがファンを落胆させない良い出来栄えだと思う。



【×】
■グラフィック
一昔前のグラフィック感。あきまんさんのキャラデザとゲーム内グラフィックに大きな差がある。


■結果的にボリュームを水増しするような印象を受けるポイント
・ダブル主人公
スターオーシャン2のようなダブル主人公システム。
それぞれの主人公じゃないと仲間にできないキャラやそれぞれ限定の会話シーンが多くある。
シリーズらしいなつかしい仕掛けとも言えるのだが、個人的には2周前提のボリュームをごまかすための選択という感じがしてしまう。
クリアまで30時間くらいかかるゲームなので2周するのはしんどいのもあり
今日日ボリューム戦争な世の中なので、一括して厚みを出した方が個人的には良かったんじゃないかなと。

■ファストトラベルが使いづらい
移動途中の細かなフルボイスの会話があるのだがファストトラベルを使おうとするとそれが丸々飛んでしまいますという警告文が毎回でるため非常に使いづらくストーリーを楽しむ人間にとって実質寄り道でしか使えない仕組みとなり、テイルズのような焚火などの休憩ポイントで会話が見れるようにする事も出来たと思うのであえて移動をさせる分プレイ時間を確保しているように感じてしまう。移動のストレスが小さいとはいえ不自由さを感じる。


■UIが使いにくい
全体的にUIの出来が悪い。
・自動で今一番強い装備を着せてくれる「さいきょう」機能がない。頻繁にキャラが出入りしてアクセサリーが外れたりするので面倒。
・店で装備購入してその場で着せてもらう機能がない。なぜ?
・PAの場所をもっと地図で強調表記して欲しい。
・ページ送りがR2になったりR1になったりと統一感がなくうっかりミスが多くなる。
・スキャンが会話中や移動中にできない



【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える(オススメ)
8:良作(安定)
7:合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:低クオリティ
0~3:残念




テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

  1. 2022/11/18(金) 21:22:03|
  2.  ├PlayStation 5
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

バイオハザードvillageDLC『シャドウオブローズ』

【評価 /10】
8点


【○】
・villageのシナリオを完成させる物語
villageのエンディングから16年後、エピローグ的に流れていたローズが大人になっているシーンに至るまでの物語。
ローズが自分の人間離れした能力によって社会に溶け込めず苦しんできた事が明らかになりその能力を捨て去るために菌床の中に眠る記憶の世界を旅するというシナリオ。

village本編のリソースを使ってステージを作っているのだが、イーサンのようにガードもないし敵を倒してもメリットがないシビアなリソース管理とレベルデザイン、バイオらしい謎解き要素などもコンパクトに詰め込まれていて濃縮されたバイオの楽しさが詰め込まれていてとても良かった。本作の一番の魅力は遊びの部分よりやはり7から続くイーサンの物語の完結でありサプライズでもある素晴らしいストーリー。次回作へと続く布石のようなタイトルでもあるので7からのファンは絶対に遊んで欲しい内容となっていた。


・ボリューム
3時間くらい。密度が高く程よい。マーセナリーズやTPS視点追加など様々な遊びの一部だがかなりしっかりした内容で満足。


【×】
・特になし



【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える(オススメ)
8:良作(安定)
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:低クオリティ、バグ大、コンテンツ少
0~3:残念

テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

  1. 2022/11/03(木) 21:24:17|
  2.  ├PlayStation 5
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