【評価 /10】
7点
【○】
■グラフィック
プリンセスクラウン、オーディンスフィア、朧村正と
毎回美しい2Dグラフィックと世界観の作品を作り上げるヴァニラウェア。
パッと見ただけで「遊んでみたい」と思わせるビジュアルはさすが。
今作も期待通りのクオリティでキャラクターのデザインや動きでワクワクした。
戦闘画面の魚眼レンズで覗いているような独特のカメラもおもしろい試み。
■おもしろいゲームデザイン
ゲーム冒頭で戦争している3国の中から一つを選択して始める。
その後オフラインでクエストをこなしたり敵と戦ったりして育成したパーティーを
オンライン上で数千、数万のプレイヤーが争っている戦争の送りだし領土争いに参加していくという
ありそうでなかったおもしろい作りになっている。
もうちょい細かく説明すると、
プレイヤーがオンライン上の戦場にログインするとリアルタイムで更新された戦況マップが表示される。
今まさに自分の国が戦争しているマップに入ると、
ボードゲーム風の戦場マップが開き、奪い合っている地点に移動すると
NPCになってエンカウントする他プレイヤーのパーティーとバトル。
一定時間までに勝ち点が多い方の領地になる。
操作しているプレイヤーとの直接PVPってのはないんだけど、
NPCと戦って、戦果をアップロードすると国の勢力争いに反映するっていうおもしろい仕組み。
国がたくさんの領地を治めていると戦争モードでのみ購入できる行商人の内容が良くなったりするし、
1戦闘毎に経験値が入ってレベルアップもする、基本的には個人のメリットのために戦っている状態。
これらの仕組みを見ていると頭によぎるのがオンラインゲームのファンタジーアースゼロ。
初期開発が彼らってだけあって本当にそっくり。
凄く尖った考えで作られているんだけど、個人的にはもう少し
同じ国民通しでツイートが見れてコミュニケーションが取れるとか、
戦況マップ内に様々な要素を敷いて、弱いやつは離れた場所の拠点を獲れ、
強いやつは前線を押し返せとか共闘している感が出せたら全然ハマり度が違ってきたかなーと
もったいないと思える部分が多い。
■戦闘
戦闘はターン性のエンカウントバトル。
MPの概念がなく、コストを使って攻撃やスキルを発動する。
コストは毎ターン自動付与や敵を倒して得られる仕組み。
一人目が強力なスキルを放つと他のメンバーが質素な攻撃になったり
行動すらできなくなったりする。
スキルが非常に豊富で、戦略性を奥深くする部分は厚く作られているため
プレイヤー次第で個性が大きく変化し、他人が育てたパーティーとのバトルもおもしろい。
バランスは敵をサクサク倒すような爽快感こそないが、駆け引きが熱いよく練られたバランスに感じた。
【×】
■遊ぶ人を選ぶ
このゲームはプレイヤー側に結構なモチベーションとゲーム理解力がないと厳しいと感じた。
もっと噛み砕いていえば「俺は普通のRPGの遊び方で、ストーリーをサクっとやって終わりでいいよ」
そんな人には正直おすすめ出来ないゲームだと思う。
そのポイントとして「オンラインで戦争に参加できるか」というのが一番大きい。
パフォーマンスを発揮するための条件があり、条件次第で評価が大きく変わってしまうと思う。
1)オンライン環境がある事(ワイヤレスLAN)
2)ゲーム発売から数か月の一番盛り上がっている時期に遊んでいる事。
この二つの条件を逸してしまうと、評価は激減してしまう可能性がある。
ちなみにオンライン環境がない場合は4点
かなり遅れて購入した場合、数か月以降の状況が正確に想像できないが現状ほどの盛り上がりを失ってしまい
低レベルなのに超ステータスみたいなやつしかいなくなった戦場を想像すると5~6点という所。
オンライン環境があるのかって所が最低条件かなと。
この条件を全部満たしていても俺はまだ人を選ぶゲームだなと感じていて、
ストーリーはそれほどイベントとして盛り上げているわけでもなくテーブル上に配置したという感じで淡泊だし
成長要素などはランダムな要素がありテンポよく成長が得られるとも限らない。
戦争で活躍するに、正直単調な育成モードを繰り返す必要があり、
プレイヤー側に理想のパーティーを作るんだ!っていう強いモチベーションがないと、
このゲームのルーチンの退屈さには耐えられないと思う。
育成モードの仕組みはいくつか問題を感じていて、
まずもう少しルーチンを楽しくさせる工夫が必要だったと思う。
クエストがどれも似たようなもので「目的地にいって戦うだけ」
基本のエンカウントも自動戦闘が不便でどうでもいい雑魚戦である程度の操作が必要になってしまうし、
快適性も刺激もいまいち足りない単調な繰り返しになってしまっている。
ランダムでスキルや装備が手に入るってのもおもしろいのだが、
もう少し何をしたら何が手に入る、これを達成したら何がアンロックするというような明確な目標を
小さく、たくさん設定したほうが良かったんじゃないかな。
あとキャラクターを叙任して新キャラにチェンジするタイミングに凄いやり直し感、引退感がある。
その原因はゲーム側が明らかな強くてニューゲームを演出出来ていない事。
お金や訓練書はたまっているんだけど、その程度では不足かなと。
次こういうパーティー使うから装備買っておこうとか、次はこういう編成で作ろうとか
つまんねークエストまたやるけど戦争で勝ちたいから頑張ろうとか遊び手に
モチベーションの復帰を頼っている作りなので厳しいんじゃないかなと。
これは「俺の屍」のように作れないならば、
戦争と育成を行き来して愛着のあるキャラをずっと使っていくような仕組みの方がいいような気もする。
そこかしこに強い信念で作られたゲームって感じはひしひしと伝わってくるんで
取った部分に対して失った要素もあり
これはこれでありだとは思うけど、個人的にはもう一歩頑張って欲しかった。
【最後に】
新しい発想にチャレンジしていてちゃんと平均以上の形になっているのは素晴らしい。
ただ万人におすすめ出来るゲームではない。
やり込みが好きとか普通のRPGに飽きた人が楽しむゲーム。
まだまだ粗い部分があるので以後アップデートはないとしても
新作でより練られる事に期待。次回作も必ず買う。
【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える
8:良作
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:定価の価値はない (低クオリティ、バグ大、コンテンツ少)
0~3:これはヒドイ
↓を押して頂けると微妙にやる気が出ます。
テーマ:日記・雑記 - ジャンル:ゲーム
- 2011/09/08(木) 21:04:32|
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