ゲームレビューボクラの九龍城 Assassin's Creed Unity(アサシンクリードユニティ)

Assassin's Creed Unity(アサシンクリードユニティ)

【評価 /10】
6点

【○】
■凄まじい箱庭
アサクリシリーズは毎回その世界観に合わせた箱庭づくりに感心するが、
今作は2以来に圧倒された。
世界観や空気作りが完璧。アサクリのアートチームは本当に凄い。

18世紀、フランス革命に揺れるパリが舞台。
街はそこら中が荒れていて、道端で急に思想の違うもの同士が殺しあったり
平民が貴族の家の前に押し寄せている様などを見ることが出来た。
その時の人々の生活、貧富の差などが手に取るように感じられた。
建物や服装にも特徴的なものや有名な場所も多く、
フリーラン駆けていて感動しながら様々な風景を楽しめた。

■移動
少々操作に不満はあるものの、進めなくて足が止まるという場面が格段に減っているような気がする。
あり得ないような距離でも飛びついたりジャンプしてくれて
移動範囲が大きくなっているように感じ、スイスイフリーランが進む快適さがあった。

■ボリューム
本編はいつも通りくらいで寄り道や横の遊びの数が半端ではない。
マルチプレイという新しい試みもありつつ一人遊びには全く手を抜いておらず
存分に楽しめる。個人的にはボリュームを見ただけでお腹いっぱいという感じだが（笑

■シナリオ
主人公は地味でキャラクターは少々弱かったが、話のテンポが良かったのが高評価。
フランス革命をベースにした世界観で「革命」や新しく生まれかわるというような意味合いの
テーマが感じとれ、アサシン教団側の主人公とテンプル騎士団側のヒロインという関係性から
長年争って来た敵同士とは違う形のアプローチが展開し楽しめた。

■安定のアサシンクリード
自分がアサクリシリーズに求めるような期待感や満足感は十分に満たしてくれたと感じている。
バグを除けば、オリジナリティが少々不足して感じたのだが、
龍が如くのようにシリーズ毎、一定の合格ラインにはしっかり作られている。

【×】
■バグ　不具合
海外で騒ぎになってかなりユーザーからバッシングを受けていたようで
日本では発売日に大きなパッチがあたっているのだが、
残念ながら問題は完全に解決されず頻繁に不具合を目にする事になった。

オフラインではムービー中や大量にNPCがいる場所ではフレームレートの低下を感じた。
移動やムービーはそれほど深刻ではないのだが、戦闘中にラグって
攻撃が当たってるのか当たってないのかよくわからないような状態になるのはさすがに厳しい。

一番ひどいのはオンライン。
かなりの高確率でラグが発生。ゲームが停止することも頻繁で進行不能になる。
正直コチラはゲームにならないような場面が頻繁に発生していてがっかり。
早めの修正をして欲しい。

■ロード
巨大な箱庭を読み込むのもあって街の移動などで別の場所に移動した時や
フェーズが変わる時のロードが非常に長い。ゲーム全体で言うと結構な割合ロード時間がある。
こんなロード地獄味わったの久しぶりっていうレベル。

■マルチプレイ
シリーズ初ということもあり、最も期待していた点だったのだが、
バグっているという点を除いて、ただマップに4人入れてみましたという感じで
あまり協力してどうこうするような場面が考えられていないと思う。
正直一人でもクリアー出来るし、4人でやれば手間が減るという程度。
死んで復活してのゾンビアタックでも進めてしまう荒い作り。
もう少しマルチならでは、マルチでしか出来ない！という遊びをやってみたかったのだが
期待はずれだった。初見でワイワイ楽しむ程度はできるがリトライ性も低くイマイチ。
これをはじめにさらなる進化に期待。

■操作の不満は完全には消えてない
操作、やはりアサクリ特有の思い通りに動かないような場面は多い。登りたくもない所に登ってしまったり
窓に入ろうとしたら横に飛びついたり。遊べなくはないが、完璧ではない。
今回の飛び道具の使い方が独特で非常にやりにくいと感じた。
場所によっては狙って撃つときにTPSになるのだが自分のキャラがかぶって見えなくなるのもいけてない。