【評価 /10】
4点
【○】
■シームレスの戦闘
エンカウントがシームレスなので非常に便利。
だがこれは便利というだけでシームレスならではのおもしろさを持っているわけではない。
地形を生かした有利な立ち回りが出来るなどのアイディアがあったらよかった。
■ロールには可能性を感じた。
正直本作では尖りが甘かったのだが成長要素の中にあったロールというシステム。
4つの枠に「敵を率先して攻撃」「回復を優先」などの行動傾向や能力バフを設定して
自分独自の戦闘スタイルを組み上げ最強のパーティーを作るような仕組みなのだが
この方向性でトコトン尖らせたらかなり面白いゲームになったのかなと思った。
本作中は一部の組み合わせで無双するような楽しさはあったが多様性という意味では弱かったし、
ロールをしっかり演じている実感が薄かったので、おもしろさや光はあったがもう一つという感じ。
【×】
■10数年前で時間が止まっている感覚
グラフィック面と、シームレスの戦闘などの技術面は進歩しているのだが
ゲームのシステム面やアイディア面に関しては
全体的に本当に古臭いというか進歩を感じなかった。
近年のウィッチャー3など先進的なRPGだけではなく
テイルズ、ペルソナなどシリーズを重ねているゲームと比較しても
あまりに進歩が小さすぎる。むしろ過去作と同じ土俵で負けているくらい。
トライエースという会社の現在の力のなさを感じてしまう悲しい作品となった。
■システムの破たん 完成度の低さ
遊べないレベルではないが、練りこみ不足で完成度が甘い。
・戦闘システムの破たん
本作はやりたい事が混在して一貫性を失っていると感じた。
戦闘は「3すくみ」が基本となっている。
小攻撃<大攻撃<ガード<小攻撃
というような3すくみになっていて、戦闘中それを見極める事で相手の行動を阻害したり、
成功によってゲージが上昇し強力な必殺技が撃てるなど有利になるというもの。
これは安定感のある遊びで面白くなりそうだが、
なぜだかこれを邪魔するような仕様が重なっている。
本作はシリーズ初の7人パーティーで、ワラワラと敵に群がって乱戦する
絵的な楽しさがある。話に聞いてもなんだか楽しそうに感じてしまうのだが、
上記の3すくみと非常に相性が悪く、場にかなりの数のキャラクターが入り乱れ
かつ敵はモンスター固有のモーションで行動するので相手の行動が見極めにくいので
非常にすくみを見極めにくい。タイミングも割とシビアとなっている。
また、カメラの自動補正が凶悪でネットでも話題になるほどだがぐちゃぐちゃ動いて
それもまた3すくみの見極めの邪魔になっている。
結果スキルをアホみたいに連打するだけのゲームで問題なく進んでいく。
3すくみを瞬時に見極めるという遊びをやりたいのなら
「1体1とかせめて3対3とかもっと少数の戦いでやるべき」だと思う。
それか相手の必殺技にすくみがあって大きな予告がありもっと
対応しやすいものにしたほうが良かったかなと。
そういうわけで、
3すくみの駆け引き、7人パーティーわらわらバトル、従来の派手なスキルを撃ちまくるなど
やりたい事がぐちゃぐちゃに織り交ぜられて
一つのゴールに向かっていない、方向性を見失ったような結果になっていると感じた。
7人パーティーによるロール遊びの方向で特化するか
通常攻撃をもっと多彩にして、通常~必殺技をつなげるコンボの楽しさを追及する
従来のスターオーシャンの進化形のほうがよっぽど楽しめたのではないかなと。
・テクニックよりレベル
従来もそうだったのだが本作はそれをより強く感じる。
ようするにレベルを上げないと話にならないという場面が非常に多く
アクションとか関係なく理不尽に敗北するような感触を強く受ける。
個人的にはアクションである限りは操作の楽しさや操作技術による結果の違いを追及するべきだと思う。
レベルがかなり足りない相手でも
回避やガード、立ち回りなどを駆使することで強い敵にも勝てるという感覚を
より持てるほうが面白いという話。
本作は「動かしていて楽しい」と感じる割合が非常に小さい。
ストレスを感じる理由はいくつかあるが
1つはバランス面で7人パーティーにしてしまった結果
敵がそれを一気に倒すというのが難しく
強い敵は範囲で即死級のダメージを出す事でバランスをとっている雰囲気。
AIがバカでロールで制約を課すことである程度制御できるが
どうしても立ち位置などに細かい配慮はできずアホみたいな死にかたが避けられずに
プレイヤーが強敵と戦っているときのアクションは攻撃や防御よりも
「AIのアホさにイラつきながらコマンドを開いてアイテムを使って蘇生する」
というのを激しくやっている結果になっていておもしろくない。
・テストプレイしましたか?
ボス前のセリフシーンをカットできない、強敵に負けるとかなり前に戻されてしまうセーブポイントの設置ミス
イベントで仲間が抜けるたびにロールの再セッティング、頻繁過ぎ。
操作キャラを変えても移動キャラは必ず主人公に戻る。など
非常にストレスがたまる。テストプレイ不足。
今時こんなしょうもなさを感じるゲームはなかなか少ない。
他にも細かい点で言いたい事は山ほどあるのだが
やはり肝の戦闘面がイマイチなのが本当にしんどい。
■ストーリー・キャラクター
地味。まったく印象に残らない。
■クエスト
ほとんどが内容のないおつかい。
【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える
8:良作
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:定価の価値はない (低クオリティ、バグ大、コンテンツ少)
0~3:これはヒドイ
テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム
- 2016/04/14(木) 21:26:30|
- ├PlayStation 4
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