【評価 /10】
10点
【○】
■日本最高峰、脅威のアートワーク
ペルソナ3~4のアートワークに世界中の人が魅了されているのだが
今作は過去2作の延長上だが4から何作が飛んだような驚くほどの進化を遂げていた。
UI(ユーザーインターフェース)から異常なボリュームと作りこみのマップ、
ゲーム内の細かい演出まで使いまわしや手抜きというようなものは一切なく
「ここまでやるか!」と驚く尋常ならざるこだわり。
戦闘リザルトからロード時間も含めて1秒たりとも油断がならないほど細かい部分まで驚かせてくれる。
ゲームのタッチだけではなく、実際の音以外にコミックのような擬音の演出をいれたり
アニメムービーがガンガン入ったりと「日本的な魅力」を最大限融合させて
世界中に誇れるような「ジャパニーズゲームの最終形態」と言える唯一無二の仕上がりになっている。
ペルソナ4以降にペルソナ風のモノマネゲームはいくつか出たが
どれも本家の追いつく事はできず、今作さらにとんでもない領域まで登っていったと感じる。
彼らの進化がどこまで行くのだろうと今後も楽しみ。
■サウンド
ペルソナに欠かせない柱の一つが音楽。
今回も素晴らしいクオリティ、存在感で全てのシーンを盛り上げてくれている。
今作のテーマは怪盗、カラーが赤、頭身も上がってリアル寄りになり
大人っぽい雰囲気に合わせて今までの明るいラッパの音を落として
ストリングスを効かせた大人っぽいオシャレサウンドになっている。
初期のジャミロクワイのようなアシッドジャズをイメージしたという話を
目黒さんがインタビューで語っていたが、個人的にものすごく好きな方向性だったし
多くの人がイメージするルパンなどのオシャレな怪盗っぽさとマッチしていた
そういうのだけじゃなくかっこいい所はガンガンギターを鳴らしていたり
メガテンっぽさペルソナらしさ完璧です。ただ素晴らしい。サントラ即買い。
■ストーリー
過去3~4の2作と同様に、勉強や恋愛を楽しむ学生生活と、
シャドウと戦う秘密の活動の二重生活をしていく点は同じなのだが、
今作は今までよりも重いテーマとなっており
社会の大きな力や身近にある不条理や闇に虐げられた人々が集い絆を深め
自分たちの信じる正義のために戦うストーリーとなっている。
相変わらずキャラクターを描くのが本当に上手でどっぷり感情移入出来た。
メインシナリオだけではなくそんなコープ(前作までコミュ)のサブシナリオも
良く作りこまれていて早くこの人のストーリーを見たいと思えるものばかりだった。
ペルソナ3以降の出会った人々と交流を深めていくことで力を得るというシステムは
実際の生活においても強い力を持ったりいろんな面で裕福な生活になるための真理のようなもので
とても好きなのだが、今作はその要素の重要度が過去最高のものとなっていて
普段の生活や戦闘など多岐に渡り交流を深める事でドンドン遊びが増え有利になっていく。
辛い状況に置かれている人々が集まりお互いを助け合う姿は今まで以上にいい味になっていたと思う。
悪い点として気になったのは「改心」という行為があまりに強引すぎる手段というか
様々な立場の人間と分かり合う事の難しさを力で強引に解決している感があってモヤっとした。
■ペルソナとしての遊びのおもしろさは安心のクオリティ
・マップ
異常なほどリッチ。今までの生成式ではなく全ダンジョンを細部まで作りこまれていて
各ダンジョンにギミックが仕込まれていてスパイアクションのような遊び心地で楽しめる。
あのつくり込みであのボリュームだったと思うと次回作も同じレベルで求めると10年後くらいになりそうで怖い
・戦闘システム
相手の弱点を突き圧倒的有利を作るという単純で奥の深い戦闘システムはそのまま
今作は少し属性が増えたのとバフデバフのルールに変更はあったが遊び心地に大きな変化はなかった。
ゲームバランスも一瞬で相手を殺すか殺されるかの緊張感があり安定のおもしろさ。
・合体システム
RPGで最高クラスの成長と収集のシステム。一般的なRPGよりも高頻度の変化と成長を感じられる。
今作は悪魔会話が復活したのが嬉しかった。
・スケジュール管理
過去2作同様。1年の学園生活の中で時間をどう使うかを自分で選択し管理していく
今作はコープ(過去コミュ)によって得られるスキルの重要度が上がったり
寄り道の遊びも増えているので、今日はどうしよう?と楽しい苦悩をより楽しめるようになっている。
オンラインにつなげていると他プレイヤーの選択傾向を確認できるキャサリンに導入されていた仕組みが入っており
一人で遊んでいるゲームなのに人と相談して遊んでいるような感覚があり楽しかった。
・快適機能
R1を押す事で自動で弱点に切り替えて狙ってくれる。基本ルーチンとなる部分を簡略化。
・ボリューム
最短でプレイして80時間以上かかる異常と言えるボリューム。
一度作り直しているとインタビューで言っているくらいなので
2作分くらいの期間で作られたボリュームなのかなと。
めちゃくちゃ豪華でありがたいのだが正直社会人になってこのボリュームはしんどい(嬉しい悲鳴?)
【×】
■リザルトが長い
毎戦闘のリザルトが長い。繰り返しているとしんどく感じる。
レベルアップ、経験値、お金と○を数回押す必要があるのが面倒で、
△長押しでスキップ出来るのだがあまりアピールされてないので気づき辛い。
そのまま○一回で遷移、スキップがあるとか。
素敵な演出で隠しているので頑張っている方だと思うけど。
■ステルス、カバーアクション
今回はステルスアクション要素があるのだが、カバー時の挙動の出来が悪い。
何処にいてもカメラを自由に回して好きな方角に行けるとか
もっと触り心地にこだわってほしかった。
また、敵のおびき出しだったり全く敵と接触せずに攻略するための遊びを
もう少し広げてくれたら嬉しかったかなと。
■リトライ
サクッと死んで30分くらいがパーっってのが割とあった。
この辺は根元にメガテンがあるからという理解があるので個人的にはこういうもんだと思うのだが
ライトユーザーの事を考えると今回はギミックが面倒だったりするので
オートセーブを刻むとかもう少しリトライが親切でもいいかなと。
■○ボタンに何でもアサインしてるから事故る
「隠れる」「敵に攻撃する」という相反する行為が同じボタンになってたりするので事故る。
【おまけ】
アート、音楽、ゲームの面白さが全てハイクオリティで一体となっている素晴らしい作品。
小さな不満点や、遊びの部分での進化の小ささはあれど全体としてみれば高得点。
【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える
8:良作
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:定価の価値はない (低クオリティ、バグ大、コンテンツ少)
0~3:これはヒドイ
テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム
- 2016/09/23(金) 19:31:17|
- ├PlayStation 4
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