【評価 /10】
9点
【○】
■完璧な世界観
メトロ2033という名作小説のゲーム化3作目。
2000年初頭の核戦争によって滅んだロシアが舞台で本作は放射能に侵されていない土地を目指し
ロシアの広範囲を旅するまさにエクソダスとなっている。
・素晴らしいアートワーク・デザイン
ポストアポカリプスものが大好きでフォールアウト、レイジなんでも手を出すのだが
おそらくメトロエクソダスのマップはそれらの中で最高レベルのアートだったと思う。
作りこまれた廃墟の空気感は素晴らしくそこに住む人々の服装や生活感を表現するアイテムの数々
カラシニコフでネズミがでかくなったようなクリーチャーと戦う感じ、
どれも飛びぬけた設定やデザインではなく「あり得そうな絶妙なSF」になっている。
・キャラクターとストーリー
頼もしく思いやりがあって背中を預けたくなるような気持の良い仲間達。
一人一人しっかりと人物を描いており、細かい会話を聞くほど感情移入出来る。
今回のグッドエンド条件はなるほどと思える仕掛けで素晴らしい。
ストーリー終盤からエンディングにかけて泣いてしまった。
ちなみに本作から始めても全く問題ない。
■ホラーと手ごわいバランス
基本は1人称のアクションシューティングだが
特徴的な仕掛けが多い。
・残弾・資材管理
バイオハザードのように弾や回復アイテムを厳しく管理する必要がある。
適当に撃ちまくっていると攻撃手段を失うため
状況に応じてステルスをしたり戦闘を避けたりと知恵を絞って戦う必要がある。
このタイトルはホラーっぽい面が強いゲームなのでそれとも相性が良い。
・厳しい体力
大体近接攻撃を2発立て続けに食らったり銃弾をまともに3発くらい食らったら
あっというまに死ぬ。バランスは厳しめ。
・細かいギミックアクション
このゲームは敵だけではなく、道具や環境とも戦わなければいけない。
基本夜になると完全に闇になってしまうのでライトは必須。
だがライトはほんの少しの光の上、定期的に手動で充電しないと切れてしまう。
なので戦闘の隙で充電タイムを設ける必要がある。
ライターでかなり明るくすることは出来るが他のアクションが封じられてしまうため
切迫した状態では不向き。
また敵を近くで殺すと返り血を浴びてゴーグルが汚れるため
ゴーグルを拭うというアクションもある。
他にも汚染がひどい地域では定期的にガスマスクのフィルターを入れ替えるなど
必死で戦いながら様々なアクションをしなければいけない。
とまあいろいろとあるのだがこれが面倒!と思う人もいるだろうけど
残段管理も含めて緊張感を最後まで維持し、メトロの個性的で良い遊びになっている。
■ローカライズ
素晴らしい吹き替え。日本で高い評価があるとしたらローカライズの力は確実に大きい。
【×】
■ロード
新しいマップに入った時など大きな区切りのみならまだ良いのだが、
シビアなバランスのゲームで死ぬたびに長いロードに入る。
PS4PROSSD換装済みでも大体2~3分前後時にはもう少し長いくらいの感じ。
■不完全に感じるガイドとUI
個人的に気になったのは
・クエストオブジェクトがわかりづらい
とある場面で奴隷がいっぱい捕まっているクエストがあって
敵を全て倒して最後に奴隷を解放するレバーを引いて完了みたいなものがあるのだが
レバーが見えづらかったり、それを無視して外に出ても何のアラートもない。
そのやんわりした表現は全体的にそういうテイストのゲームで
制作者はわざとやっていると思うのだが実はそれがエンディングに関連する分岐条件の一部だったり
総プレイ10時間くらいのリプレイ性が低いゲームでは相性が悪いと感じる。
クエスト系はわかりやすい表現やオブジェクトに小さくアイコンをつけるなど工夫がいると思う。
・暗殺コマンド
敵に近づくと殴るか、殺すかというコマンドが出てステルスアタックが出来るのだが
これが近すぎず遠すぎずの微妙な位置でしか表示しなかったりしゃがんでるとまともに表示しなかったりと
かゆみを感じる。一応不殺であれば殴りコマンドでも代用が効くのだが
「なんで発動しないの?」ってのがロードに直結するような致命傷なのでストレス
これはナイフを装備状態ならR3で殺す、未装備なら気絶でいい気がするが。
・敵の無敵時間?
敵を銃で撃った時に敵のノックバック演出に長めの無敵時間?のようなものがあって
残段が重要なゲームとしてはストレスに感じた。
・ジャンプしているのにスムーズに登れない
■少々のバグ
進行不能系バグに引っかかった。工夫してなんとか突破。
■一部ボス戦
大型の獣と戦うボス戦はとってつけたような作りでストレスを感じやすい。
攻略方法もパターンが乏しいので単調で長いと感じた。
■もっと寄り道が欲しい
オープンワールドを自由に移動できる際にもっと遊びが欲しいというのは本音。
サブクエやダンジョンなど寄り道が欲しい。
遊びの詰まり具合という意味では足りない。
フォールアウトくらいの規模感でも遊んでみたい。
【おまけ】
世界観やアート面など素晴らしい。ストーリーもとてもよく抜けている。
細かい所で不満が多くあと一歩勿体ないと思えるゲームだった。
バグやUIなどのかゆみをもう少し練りこめればSクラスのゲームになれたと思う。
とはいえポストアポカリプスのアドベンチャーが好きな人には強くオススメ出来る良いタイトル。
【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える
8:良作
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:定価の価値はない (低クオリティ、バグ大、コンテンツ少)
0~3:これはヒドイ
テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム
- 2019/03/07(木) 21:01:28|
- ├PlayStation 4
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| コメント:5
チョムチョムさん
そうですねー。サブクエとかアチーブメントみたいなものならまだいいんですけどストーリーの重要な分岐のカギになるようなものが隠れてるとちと不満に直結しやすいですよね。
>>没入感を高める為
まさにおっしゃる通りだと思うので表現難しいですね
細かいことはいろいろ書いてますが個人的には凄く評価の高いゲームでした。
- 2019/03/14(木) 10:12:21 |
- URL |
- fei #-
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没入感を高める為に極力UIを省いてるんでしょうけど、バイオショックみたいに重要オブジェクトぐらいは薄く光ってハイライトしてくれても良かったと思いますね~
奴隷解放のレバーは操縦室みたいな場所の外にある上、足元に配置されてるので「いやこんなもん見落とすわ!w」って自分もプレイした時思いましたw
- 2019/03/13(水) 15:27:18 |
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- チョムチョム #-
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ana33858さん
なんのために訪れているかわかってたらオブジェクトが見えなくてもいいわけじゃないのでここだけじゃないですがやはりもう少し目立つUI表現は必要だと思います。
森のヌシは戦うを選んでいるとはいえお世辞にも操作性が良くないと思いました。ただ逃げて撃つだけで遊びが薄くその割には長い。あれじゃストレス解消どころか逆に溜まっちゃいますね。
ジャンプはライター持ってないけど出来てないんで↑を押してない?なのかもしれないですね。
車から降りれないバグは、動画をちゃんと見るとわかるんですが□長押しはわかんなかったんじゃなくずっとやってもダメでしたね。完全にバグってました。
- 2019/03/08(金) 15:52:09 |
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- fei #-
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ロードの長さは確かに地獄級の苦難でしたが、それ以外は余り問題無かったと思う。
奴隷監獄のオブジェクトの件ですが、アンナやギウルから奴隷救出の話聴いた後に向かう場所なので、オブジェクトが判り難いと云うより何の為に訪れたか分かって無いだけだと思います。 森のヌシ戦ですが、初戦は無戦闘で切り抜ける事が出来たので特に問題無かったと。巨獣との総力戦は前作にも有ったし、そもそもタイガ編は無殺生と暗闇探索だったのでストレス発散の為のヌシとの再戦だったと思います。
ジャンプで登れないのはレバーが↑に入って無いor左手にライター等出ていたのではないかな?と推測。三部作の最終章の為、過去作に触れて無いと分からないシステムなので、もっと優しくチュートリアルが在れば良かったと思います。
- 2019/03/08(金) 02:38:08 |
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- ana33858 #-
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