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ゲームレビュー ボクラの九龍城

ゲームばっかりやってる人のメモ帳

デスストランディング

【評価 /10】
10点



【○】
■小島秀夫の真価
小島作品は一通り遊んでいて「スナッチャー」「MGS1、3」は特別に好きだったのだが「MGS4」はムービーが大半でストーリーは良かったが、遊んでいる時間より見てる時間の方が大半に感じて全体としてはイマイチだった。こういうとファンには怒られそうだがMGS1で大感動した才能がシリーズ後半では枠にとれわれているのか無難だったり物足りなかったり、少しずつワクワクがしぼんでいくような寂しさがあり個人的な信仰心も下がっていた。

では、小島監督の真価が問われる独立一発目の作品デスストランディングはどうだったか?

とにかく驚かされるのは驚異的な一体感、完成度。
世界観とシナリオ、アートと映像、遊び、音楽、全て調和がとられていて無駄がない。
小島監督は映画好きで知られ様々な有名俳優とも交流があり今作もがっつりアサインしている。
俳優の癖や人間性をあえて強調してそのままの姿で使っているが独創的な世界でドラマを進めているうちに
キャラクターに変わり強く感情移入してシナリオにのめり込んで行く。

遊びも無駄や事や地味な事、本来ゲームが引き算するあえてリアリティを追求する遊びを突き詰める事で
プレイヤーにコントローラーを握らせてその世界に没入させる事に素晴らしいバランス感で成功している。

総じて、明確に映画では出来ない「ゲームにしか出来ない体験」ってのを追求し成功している。

デスストランディングをザックリ分解すると
・独創的な世界観とシナリオ それを支える豪華キャスト
・アートワーク。美しいマップとリアルな自然表現、Low Roarの音楽、調和のとれた空気感
・「配達人シミュレーター」荒廃した世界で荷物を運ぶ中毒性のある遊び
・ソーシャル要素、非同期で他プレイヤーと協力して作る道筋、生まれるドラマ

シリアスな世界の中に笑いやかわいい部分が入っている部分や
遊び手を想像していてわかりやすく伝える努力をしているサービス精神も垣間見え
節々で間違いなく小島監督のゲームだと感じられた。

クリアまでプレイして「小島秀夫は天才」なんだなと強く再認識した。
世の中ではいろいろ言われているようだが個人的には間違いなくポジティブな評価。
今後もなんのしがらみも受けず、才能の赴くまま全く新しいゲームを作り続けて欲しい。


■世界を人をプレイヤーを繋げる。中毒性すらある配送人シミュレーター
このゲームって結局どういうゲームなの?という質問をされた時に
「終末世界で荷物運ぶゲーム」又は「配達人シミュレーター」というのがしっくりくる。
荷物を運ぶだけなんておもしろいの?というのがまず浮かんでくるのだが説明していく。

目標は当然荷物を安全に目的地に運ぶ事。
具体的にどんな遊びをしていくかというと、荷物には重量があり、運ぶサムには重心がある。
荷物を積むという所からゲームになっていて重心が安定していないとちょっとした出っ張りで躓いたり、坂を上っている時に重い方にレバーを入れるとフラフラと倒れそうになってしまうので、その度にLRを同時押したりして踏ん張ったり逆側にレバーを入れて支えたりする細かいハンドリング操作が必要になる。後一手で崩れるジェンガみたいな積み方をすると難易度が跳ね上がるのである。当然こけたら荷物が傷ついてハンコ貰う時に怒られるし核爆弾を運んでたらこけた拍子に辺り一帯消し飛ばす事になる。ちなみに荷物の積み込みは「オススメ」みたいなボタンでいい感じにしてくれるので手間は減らせるから安心して欲しい。こだわり派は自分で積む事が出来る。

さらに山、崖、川といった高低差のある過酷な環境、このゲームに平坦な道というのはほとんどない。必ず斜面だったり足がつっかえてしまうような岩が転がっており一歩一歩ルートを予測して進む必要がある。大河や豪雪の雪山がどれだけ過酷な事になるか言うまでもない。敵は環境だけではない。荷物を探知すると大勢で襲ってくる盗賊、生き物を見つけると襲われるBTという怪物をステルスで避けなければいけないなど。そんなわけで大事なのは「安全なルートを通って運ぶ」という計画がとても大事でありゲーム性になっている。地図とにらめっこして天気予報をみてルートを予測し、自分の計画ルートをマップに書き込み、実際行ってみて現地で危険はないか、状況をみながらルートを調整して行くのはリアルで登山をしているような感覚にも似ていてとても楽しい。
過酷な環境は遠回りするしかないわけではなく、ハシゴ、ロープなどの開拓アイテム。橋や展望などの建築物。バイクや車などの乗り物、盗賊を捉える銃やBTを撃退する爆弾など、様々な任務遂行アイテムを駆使して道なき道を開拓する楽しさもある。ゲームの進行に合わせてテンポよく成長し装備が増えて行く。
定型化された遊びではなく箱庭でプレイヤーが発想し、チャレンジし、様々な結果が返ってくるゲームを作ってここまでの完成度にするってのはとんでもなく難しいことだと思う。

さらに「ソーシャルストランドシステム」という簡単に言うとオンラインにつなげる事で他プレイヤーが置いた案内板、アイテム、建築物が同期して、自分で道なき道を開拓するのも良いが、他プレイヤーが切り開いた道を利用して「いいね!」で感謝をしながら進んでいく事も可能になっている。もちろん他プレイヤーの事を思いやって自分の苦労した川に橋をかけたり、ショートカットのロープを付けたり宇して感謝をされる事も出来る。他プレイヤーから攻略のアイディアから学んだり、失敗を想像する事が出来たりといろんなドラマが生まれる。
遊びとしての楽しさだけではなく、一人で遊んでいるのにその世界に見えない誰かがたくさん遊んでいると感じるのが凄く心強くてこのゲームではあえて他プレイヤーを貶めたり攻撃するような概念はほとんどなく助け合う優しいポジティブな繋がりに特化しているのだけど、ネットや現実で人と繋がる事を諦めて欲しくないっていう小島監督の希望みたいなものが垣間見えた。

長くなったがこういった複合的な要素が「物を運ぶ作業」をとても面白いゲームにしている。

「シミュレーター」って言葉を使った理由としては、世の多くのゲームは快適性、利便性を向上させるためにリアリティを削って行くのだが、このゲームは「荷物の積み込み」「歩きながらこけないように重心をとる」「赤ちゃんが泣き出したら止まってあやす」など、手間をあえてそのまま入れる事でこのゲームの記憶が深く刻まれる体験としているのでシミュレーターっぽい面が強いと感じた。そういうクリエイターのこだわりでストレス過多のクソゲーになってしまったらダメだと思うが、そこは個人的にストレスは限りなく小さく絶妙なバランスで成立しているのに感心した。

デスストランディングはオリジナリティのあるゲームなのか?と言われると、
要素の多くは何処かにあったものだが、この形でまとまっているとオリジナリティに溢れていて、
ブレスオブザワイルドのような評価を受けてもまったくおかしくない素晴らしいゲームだと個人的に思う。
間違いなく、今後このゲームの基礎から発展形を作るクリエーターが出てくるのでそれも楽しみ。


■ストーリー
新しい言葉が数多く出てくるしシュールな世界観でもあるが、
隅々まで丁寧に説明もしているので個人的にはスッキリとした読了感だった。
映画好きな監督らしい映像、シナリオ作りの上手さ、キャラクターが
魅力的でセリフ回しなどもらしさが出ていてとても良かった。
マッツ演じるクリフが兵士と共に現れるシーンは最高過ぎる。
小島監督は天才的な演出を一方的に投げつけるだけじゃなく
食事する人の事を意識して料理を作っているタイプでバランスが良い。



【×】
■スロースタート
このゲームが賛否両論になっている1つの理由かなと思う。
要素が増えていくまで少し時間がかかる。


■もっと深い遊びがしたい欲
ダメというか、このゲームを遊んでいるともっと深く遊びたいという欲がわいてくる。
荷物の配送はゲームの進行に応じて様々なガジェットが増え、施設を追加する事でサンドボックスのゲームをやっているようにドンドンマップを自由にカスタムしていけるのはとても楽しい。
それゆえにもっと時雨を脅威に感じるような過酷なチャレンジを、おもしろい装備を施設を、こんなことあんなことがやりたい!という欲求がとめどなくわいてくる。

戦闘に関してもそう。荷物を奪いに来る盗賊ミュールや、ゴーストのようなBTと銃器や格闘を使って戦うのだが、あくまで荷物を運ぶプレッシャーとしての存在は面白いのだが、いざ戦闘となるとミュールは素手で簡単に勝てるしBTも爆弾を支援してもらいながら投げてれば勝てるのでかなり薄味になっている。

それぞれのシステムがゲーム全体にとって一部の要素に留まっているとも言えるので、ここからおもしろくなるのに!という所で止まっているともいう。深くなると雑念や寄り道になってしまうのかもしれないし、設定的に敵が殺せないとかゲームっぽい成長をしてサムが人間離れるほど違和感がでるとかまーいろいろ理由はあるんだろうて、そうじゃないとダメとは言えないのでとても難しい。
クリアまで十分に楽しむ事は出来るのだがそれぞれをもっと深く遊びたいという気持ちは間違いなくあった。これが物足りないという評価をする人の意見になるのは理解できる。


【おまけ】
欠点や物足りない点は間違いなくあるが、良い点が圧倒的に上回る。
小島監督が独立する時、付いて来たたくさんの仲間の人生を抱え、大きなリスクを背負った状態で
メタルギアのコピーのような無難なゲームを作ればファンを満足させ簡単に成功出来ただろうが、
自分の境遇もテーマにしたようなこれだけ挑戦的で素晴らしいゲームを作ったことは心から尊敬する。


【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える
8:良作
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:定価の価値はない (低クオリティ、バグ大、コンテンツ少)
0~3:これはヒドイ

テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

  1. 2019/11/24(日) 10:34:48|
  2.  ├PlayStation 4
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

おまけ でグッときました👍

納得のゲームレビュー!終始頷きながら読ませて頂きました👍👍👍

クリア後も少し荷物運びをしてみたのですが、やはりストーリーが乗っていないと凄く“ゲーム”してる感があって、それだと少し物足りないし、逆にそれだと“ゲーム”し過ぎちゃうなって感じたんで、やはり本編中が絶妙なバランスなのかなって感じました。(それでも十分面白いんですけどねw)😄

また、クリア後も親密度高めていくとどんどんドキュメントが増えていくので(キャラのその後とか分かります)、世界観深めたい人には楽しめるようになっていました☝️

GOTYはバイオ2もsekiroもめっちゃ面白ろかったのですが、今年の唯一無二という事で私はデスストに投票しておきました!発表が楽しみですねー👍👍👍👍👍👍👍
  1. 2019/11/29(金) 14:35:13 |
  2. URL |
  3. sunaoyk #-
  4. [ 編集]

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