【評価 /10】
9点
【○】
---「ペルソナ無双」ではない。これは…
本作はKOEIの無双シリーズでお馴染みオメガフォース開発というのもあって
「ペルソナ無双」だと思っている人が多いと思うけど、実際プレイしてみると良い意味でかなり印象が違った。もっと言うと
ドラクエヒーローズやFE無双のような無双に上手く落としだ作品ともちょっと違うと思う。
---ペルソナ5の半年後を描くオリジナルストーリー
アクションにおまけでついているようなレベルではなく、フルボイスのドラマシーンはもちろん、各街での細かな会話やサブシナリオ、プレイヤーの選択肢による返事の変化までしっかりと作られており本家P5とまったく遜色ないシナリオを楽しむことが出来る。いくつかのシーンでは声優さんの演技の素晴らしさもあってウルっと来てしまう場面も多数。
おなじみのメンバーたちにまた会えるというのも嬉しいポイントだが、今作からの新キャラ「ソフィア」と「長谷川善吉」もとても魅力的で、今後もなんらかの作品で彼らにまた会いたいと思えるような存在感のあるキャラクターだった。
大体クリアまで40時間前後なのだがストーリーが占める割合はかなりのもので延々無双アクションをやっているというものとは程遠く
本家ペルソナを遊んでいるのとほとんど変わらない比重でシナリオシーンとアクションシーンを行き来する。KOEIが過去に手がけたドラクエヒーローズ、FE無双、ゼルダ無双などと比較しても
相当ストーリー面に力をかけていた作品だった。
---ペルソナのバトルを見事にアクションに落とし込んでいる
操作感についてはとてもスピード感のある移動とアクションが基本。□□~△とか□□□△~のような無双っぽいコマンドアクションも同じなのだが、無双のような遊び方をしていると「一瞬で死ぬ」ペルソナ本来の属性の優劣やバフデバフ(強化弱体)というような概念を強く意識して戦う必要があり、ダンジョン攻略に有効なメンバーを選定して状況に応じてメンバーを切り替えたり、相手がデバフを唱えたらバフをかけなおして相殺したりと一瞬の判断の間違いで死んでしまうような歯ごたえのあるバトルになっている。もちろん相手の攻撃モーションを覚えてそれを回避するような遊びも加わるので、
本家より高度な遊びになっていると言える。
じゃあ「アクション上手い人しか遊べないの?」というとそうではない。RPGなのでレベルを上げたりアイテムをそろえる事でアクションに求める比重はどんどん減っていくし、ペルソナを展開してコマンドを選ぶ際は「ウェイト(時間停止)」状態になりじっくり考える事も出来るのでこれを利用しながら上手く立ち回る事でRPGらしい遊び心地もしっかり実現している。
---RPGらしい育成や収集システムもそのまま
ペルソナの収集、合体、スキルの移植、装備アクセサリーによるビルドなども全て本家のまま。強いていうならペルソナの数は本家に比べてもちろん減っているのだが、1体1体戦闘中良く動くのでファンはワクワクできる。このあたりに特に不満は感じなかった。
---ペルソナ無双× ペルソナの完全新作がアクションRPGになった○
コーエーテクモが手掛けてきた過去のスピンオフ無双系も素晴らしいが、本作はさらに素晴らしい。このゲームはペルソナのスピンオフゲームとかっていうよりは、「ペルソナ完全新作の戦闘システムがアクションになりました」というイメージが一番近い。
ここで謝らないといけない事がある。仁王やコラボ無双を手掛けてきた「Team NINJA」への信頼感はあったが、三國無双8がイマイチだったのもあり開発のオメガフォースにはそこまで期待していなかったのだが、
本作は彼らにとって新しい挑戦であろうRPGパートで版元ファンの期待に応えるクオリティに仕上げ、かつペルソナのアクション化という難しい課題に成功しており、オメガフォースへの信頼を取り戻し今後の可能性を感じさせる作品になった。【×】
---無双ゲームをやりたい人は不満になる可能性が高い
単純な操作で大きなレスポンスが返ってくる無双らしいゲームをやりたい。という人にはこのゲームは向かないと思う。ストーリーパートががっつり入っているので戦闘を延々と繰り返すような遊び心地ではないし、相手の弱点やバフデバフの管理なども要求するので気楽に楽しむような遊び感ではない。ペルソナ本家が大好きな人が違う遊び心地を体験してみたいという需要にこたえるものだと思う。
---痒い所もいくつか…
アトラスが何年もかけて作ったペルソナ5と比較してしまうとUIやシステム面で痒い部分はいくつかある。
・SPがすぐ切れるのでそのたびにセーブポイントからメニューに戻って完全回復を図るのだが、そこにロードが挟まるのでテンポが悪くなる。チェックポイントを触っただけで完全回復ってのが最良だったと思う。
・会話の自動送りがない。
・ジャンクを一気に処分できない。
【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える
8:良作
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:定価の価値はない (低クオリティ、バグ大、コンテンツ少)
0~3:これはヒドイ
テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム
- 2020/03/06(金) 21:05:53|
- ├PlayStation 4
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