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ゲームレビュー ボクラの九龍城

ゲームばっかりやってる人のメモ帳

GhostwireTokyo(ゴーストワイヤートウキョウ)

【評価 /10】
7点


【○】
日本のオカルトをテーマにした世界観とオープンワールド化した渋谷
バイオハザードでお馴染み三上真司さんが代表を務めるTango Gameworksの最新作。
人が消え魑魅魍魎が跋扈する渋谷を舞台とした一人称オープンワールドアクションゲーム。

スクランブル交差点を百鬼夜行するスーツ姿の悪霊集団、暗い住宅地の路地で巨大なハサミをもって襲い掛かってくる口裂け女、コンビニで商売をするネコマタや高層ビルの間を飛び回る天狗など…心霊、妖怪、都市伝説、陰陽道、新旧様々な日本のオカルトネタを渋谷の街の中に所せましと詰め込んでおりとても魅力的。

特に良かったのはアートワーク。大粒の雨の中にたたずむスーツ姿で傘をもった悪霊など1枚絵としてみた時の色気がありこのゲームにしかないビジュアルの魅力が実現している。CGグラフィックスとして細かな部分をみると古めかしさを感じるし使いまわしが散見したりするのだが、異世界となった渋谷の街を歩く楽しさは高く評価したい。

ちなみにホラーゲームなのか?という点で言うとNO。
バイオやサイコブレイクを作った三上さんの作品なので、どうしてもホラー色が強そうなイメージがあるが王道少年漫画的。
妹のお見舞いに行く途中テロにあって死にかけた主人公が、口は悪いが魔を祓う力を持ったKKという幽霊に取りつかれ、渋谷の街を救い妹を取り戻すために戦うというストーリーで、設定もそうだが現代の街で妖怪とバリバリ戦う雰囲気は「呪術廻戦」や「うしおととら」のようなイメージに近い。サブクエストにゴミ屋敷やブラック企業など日本の社会問題ネタを入れているのも良かった。

現実が少しズレた世界とか心霊オカルト陰陽術ってのはとても好きなジャンルだったので、tangoのアートワークでゲーム化されたのはとても嬉しかった。



【×】
箱は作ったが中身が足りない
・戦闘が単調
ここが最高ならば…結論から言えば「惜しい」という感じ。
バトルは陰陽術を操る主人公が指先から風、水、火のような属性を持つエーテルショットを発射して敵と戦うFPS。風はハンドガン、水はショットガン、火はグレネードランチャーというイメージ。他にも弓やでスナイパーしたり、麻痺札という拘束効果のある補助アイテムなどを駆使して敵と戦う。シンプルなFPSの遊びの表現が陰陽術風になっている感じ。

バイオハザードのように残弾管理があるので、普通にバンバン撃っているとあっという間に弾がなくなってしまう。そこで戦闘中
にステージにあるオブジェクトを破壊する事で回復するのだが、他にも敵の攻撃をギリギリでパリィしたり、敵を一定量攻撃する事でひるみ状態になるので、その状態にL2を押す事で特殊なトドメ演出になり残弾や体力を回復する事も可能となっている。大量の敵に囲まれている中で危険を冒す事で弾を補充する必要があるハイリスクハイリターンの遊びがあるのは仕組みとしては良いのだが、実際遊んでいくと残段管理、回復アイテム管理も緩めで、堅い敵に引き撃ちしながら回復をがぶ飲みしている場面が多く単調になりがち。

弓だけヘッドショットの概念があるんだが、FPSなのでエイムの部分を強くして妖怪に応じた弱点を狙うとか、弱点属性の概念を強調して爽快感を出すとか、魂を引っこ抜く紐で敵同士をがんじらがらめにするとか、式神と連携して戦うとか、近接で楽しいスキルがあったりとかアクションゲームとしての幅の広さ楽しさと繰り返し相手を破壊する爽快感が完成されていればゲームの評価は1段階上がっていたと思う。イメージとしては近年のゴッドオブウォーくらいを目指して欲しかった。ちなみに戦闘の演出周りはとても良かった。

レベルアップによるパワーアップや装備である数珠の概念もゲームの遊びを広げていくものではなく徐々に楽になってゆく程度のものが多い。入口は決して悪くないのだが、深みや応用という点で伸びて行かなかった残念な仕上がりだった。こういう組み合わせのビルドで新しい遊びを発明…というようなところまで行って欲しかった。

・よくあるオープンワールドゲームの遊びに留まる
こちらも戦闘に近い完成度。アサシンクリード由来の霧を晴らして行ける範囲を広げてクエストをプチプチ潰していくような一昔前のオープンワールドゲーム感というかガワやビジュアルが日本風に変わったという以上の新しい遊び部分が物足りないと感じた。どのクエストも結局は戦闘するものが大半でその戦闘がもう一歩という感じなので全体の評価に影響を与えてしまう。

個人的には強力な悪霊を祓うためにエリア内に自分の好きなように結界を引いて悪霊を誘導して弱体させて倒すとか封印するとか、強力な妖怪をテリトリーに入ったら何でも襲う地縛霊のエリアにトラックで轢いてぶち込んで争わせるとかこのゲームの世界観にしか出来ない遊びを実現して欲しかった。

タイミング的にもホライゾンやエルデンリングなどが発売されている中でのAAAオープンワールドゲームはどうしても比較されてしまうのだが、世界観やアート面で尖っているが、使いまわしで誤魔化している部分も多く細かく見るほど遊ぶほど物足りなさやショボさを感じてしまう。


もっと深く描いてほしかった
全体的にあっさりしすぎている。登場人物の掘り下げを中心にもっとねっとりと描いて欲しかった。サブクエストもゴミ屋敷のヌシが悪霊化しているとか設定は面白いのにただ入って倒して終わりってくらいあっさりした内容が多く、一本のホラー短編小説でもみたかのような感覚を与えて欲しかった。



【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える(オススメ)
8:良作(安定)
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:低クオリティ、バグ大、コンテンツ少
0~3:残念

テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

  1. 2022/04/11(月) 22:44:51|
  2.  ├PlayStation 5
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