【評価 /10】
10点
前作レビュー【○】
■美しいグラフィックと最高クラスのスペック美しい北欧をテーマとした非常に作りこまれたマップの数々。
凄まじく巨大な神話の怪物との戦いが高FPSで安定して楽しめる。
PS5のパフォーマンスを感じるのにふさわしいタイトル。
北欧神話にある九つの世界を見事に表現しており
一瞬通り過ぎるような場面も止まってみればアートボードを見ているように感じるほどの作りこみ。
足を止めて壮大な風景や野生動物などを眺めているだけでも楽しいし、
ドラマシーンではキャラクターの表情は質感など凄まじいクオリティ。
■ストーリー2018年にリリースした前作では再構築され、バトルシステムなども大幅に変化しているのだが、一番大きな変化はドラマ部分。
旧シリーズで全てを破壊したギリシャから去り北欧の地で伴侶に出会ったクレイトスには既に家族が出来ており、さらに冒頭では既に亡くなっている妻の遺言に従って幼い息子アトレウスと共に過酷な旅を乗り越えながら絆を深める物語になっていた。
本作は新シリーズの完結編となっているのと同時にクレイトスの長い旅の終わりを描いている。
旧シリーズではクレイトスの怒りと復讐にまみれた孤独な闘いの物語で、正直ストーリーは舞台装置で圧倒的なパワーで神話の神々や怪物をなぎ倒す爽快感を楽しむ部分が強かった印象。だが本作では、ずっと孤独に戦い続けたクレイトスが子供との距離感に苦しんだり、仲間達と冗談を交わし合ったり思いやったりしながら心の成長を見る事が出来る。「きっとこうなるんだろうな」っていう浅い展開をしっかり裏切ってくれて素晴らしいシーンをいくつも見せてくれた。例えば映画のジョーカーのようにこのIPを使わなくても描けたであろうという作品と違って、旧シリーズがあったこそ今作のドラマが引き立つ形になっていて、その結末には涙を我慢できなかった。本当に素晴らしい解釈の新シリーズ化だったと思う。それにしてもゴッドオブウォーの最大の魅力がストーリーになるとは誰が予想したか…
ストーリーの良さには完璧なローカライズもポイント。声優さんの演技も素晴らしい。
豊富なサブクエストと、道行く時の何気ない会話がとんでもない量フルボイスで流れるのと、それらが中断されても保存され改めて再生してくれる機能などは全部のゲームに入れて欲しい。
■戦闘とビルドここは前作から大きな変化はないが、既に完成されている素晴らしいバトル。
アクションゲームお手本とも言える操作は単純でレスポンスは最高。
ゴア表現全力のフィニッシュムーブはシリーズ伝統。
片手斧リヴァイアサンを投げてから手元に戻した時の感触だけでこのゲームの一流さを感じられる。
肝は相手のアクションを覚えてガードやパリィをきっちり入れながら体幹的概念もあるSEKIROライクなバトルで
何度もやられながら強敵の動きを覚えて突破した時に大きな達成感を得ることが出来る。
ただこちらにはSEKIROと違って成長の概念があるので装備やビルドを充実させることで遊びやすくなっている。
リヴァイアサン、ブレイズ・オブ・カオス以外に新しい武器が追加されているのと、仲間のスキルや連携要素、ルーンアタックという必殺技も複数あってスキルと装備のアタッチメントのシナジーを考えてビルドするような遊びも追加されており遊びの幅がかなり大きくなっている印象。特に好きなのは体力が大きい敵もノックバック系のスキルで崖下に落とせば即死させたり敵同士の同士討ちや環境を使ったダメージを稼げる場面なども多く一辺倒ではない遊びの幅が仕込まれている。
前作でいうヴァルキリーのような寄り道の強敵やチャレンジももちろん充実している。
ゲームオーバーしてもすぐにHPMAXで再開するので再チャレンジが簡単で快適に遊べる。
■ボリューム完成された前作というベースがあるのもあるし、元々3部作だった残り2作分をまとめたという話の通りかなりのボリューム感。
ストーリーで30時間前後、全て遊びつくして40時間以上という感じ。
全てにおいて他作品より頭一つ抜けたクオリティのゲームである事は間違いない。
【×】
■革新性はない前作で完成されたシステムを大幅ボリュームアップさせたものなので、前作ファンはマストバイだし約束された完成度。
・PS5専用コントローラー「DualSense」の利用は薄め
革新性に結び付く部分だが、PS5ならではの体験としては「DualSense」の機能をどれだけ使っているかだが、多少音が出たりトリガーが重くなる瞬間はあるが控えめに入れている感じなので開発者的にはあまり望んでいないのではないかと思う。
・閉塞されたプレイ感
マップの移動に自由度はなく道が決まっている構造なので、いわゆる見えない壁みたいなものが多く、こんな超人的能力を持ったキャラがこの程度の飛び越えや岩を障害とするわけないだろっていう違和感と不自由さを感じる場面がチラホラある。大筋決まったルートだけどひとつのマップ内で細かな飛び降りや飛び越えみたいな場所がもっと作られていたら良かったように思う。想像の範疇を超える遊びはなかった。
■体力回復強力なバトルの後にHPが減っていると次の敵でまず死んでから全快してスタートになるのが非効率なので
戦闘後はじわじわ回復でもいいのかなと。
■UIタッチパッドを押すと直近の操作が出たりして使いづらい。
地図を使って目的地を探すときにわかりづらく迷ったりする。
【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える(オススメ)
8:良作(安定)
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:低クオリティ、バグ大、コンテンツ少
0~3:残念
テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム
- 2022/12/01(木) 21:08:52|
- ├PlayStation 5
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| コメント:2
感想ありがとうございます~丁寧に作っている印象でしたね!リターナルを遊んでdualsenseの最高の体験をしてしまったのでちとハードルが上がってしまっていたかもしれませんw
- 2022/12/07(水) 14:09:30 |
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- fei #-
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大体において同意なんですが、dualsenseについてはちょっと意見が違います。たしかにトリガーの使い方は薄めですが、振動、ハプティックフェードバックについては自分は凄いと思った口です。特にそりで走っている時、路面が雪から氷に変わった時の感触がまさに手を介して伝わってくるのには感動しました。
- 2022/12/02(金) 00:12:58 |
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- yan #-
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