【評価 /10】
8点
【○】
■ハリーポッター愛に溢れた完成度の高いオープンワールドRPG
斬新さはないがやるべきことをやったという感じの非常に丁寧に作られたオープンワールドRPG。
正直買う前はここまでのクオリティのものが出てくるとは思ってなくて驚かされた。
ハリーポッターファンには感涙ものな作りこみで、映画くらいしか見てない自分でも終始楽しめたし
ウィッチャー3やオリジンズ以降のRPGよりのアサシンクリードシリーズなどが好きな人にも強くおススメしたい。
・愛に溢れたオープンワールド
何はともあれ最高なのはホグワーツ学園内。このゲームを作った人達がどれだけハリーポッターを好きなのかをひしひしと感じる。飾ってある全ての絵が動いて雑談したり演奏したり、謎解きをする事で開く隠し部屋があったり、急に喧嘩をはじめる飾り鎧などあげだすときりがない。細かい所まで驚異的に作りこまれていて感動する。これは作れと言われて作れるのではない創作者の熱意と開発環境がかみあった奇跡のような作品だと思う。今後この開発が作るゲームが楽しみになった。
・アクション性の高いカウンターバトル
アサシンクリードをベースに持ちアーカムシリーズ、スパイダーマンシリーズ、ウィッチャーシリーズなどにも継承されているような
頭の上に出る敵の攻撃予兆を見切ってタイミングよくカウンターを決めたり、
赤色の予兆攻撃はガード出来ないので回避で捌くというようなよくあるやりごたえのある3Dアクションバトルをベースにしている。
さらに敵に色のついたバリアーが貼られてその色にあった系統の魔法を使って破壊するという概念があったり
魔法にもかなりの種類があって相手を浮かせて動けない間に攻撃したり、相手を爆弾にかえて敵の集団に投げ込んだりと様々なことが出来るのでプレイヤーがこういうコンボはどうだろう?と組みあわせを考えてクリエイティブに戦うことが出来る。
・謎解き
ホグワーツ内を中心に数々の魔法を駆使して謎解きをして隠し部屋を発見したり宝を手に入れていくのだが、
レールにハマった箱を動かすようなものとは違ってブロックを浮かせて好きな場所につんで道を作ったりと想像力を駆使するものが多くとても楽しい。
・BGM
サウンド回りは物凄く良かった。ハリーポッターの世界観にばっちりあった素晴らしいサウンドトラック。
環境BGMからドラマへのつなぎなどもとても良く感心した。
【×】
■ストーリーは残念
結論、世界観や舞台装置はばっちりだか、ドラマの部分は総じて弱かった。
設定はハリーポッターの100年前の物語。主人公はホグワーツでは珍しい5年生から編入する特例の生徒で古代呪文が見える不思議な力のせいで大きな物語に巻き込まれていくという設定。登場するキャラクター達は全てオリジナル、ハリーの時代とは比較にならないほど学生のモラルが高く魅力的な子が多い。ハリー時代のキャラクターと同一人物は出てこないが名高い名家の人物などが複数登場するのでファンは楽しめると思う。
悪かった点について
具体的にはメインストーリーやクエスト全体的なドラマの弱さ、キャラクター達の掘り下げ不足。
先生達は個性的で冒頭の印象は良かったのだが、その後ほとんど掘り下げはなく、どうでもいいおつかいクエストを減らしてでもこの登場人物一人一人の魅力を掘り下げるようなクエストを作ったほうが良かったかなと…大半のキャラが薄味で終わってしまったのは残念だった。ポケモンSVをやって影響もあるがもっと授業をしっかり受けたいなという欲求。テストを受けて補修や落第があるとか…
主人公はドラクエタイプで、相槌を打つだけの存在になってる印象。小さい選択肢はあるがほとんど分岐はない。プレイヤーの自由な選択をやるなら分岐を徹底的に作れないと主人公はリアクションするだけの薄い存在になってしまいがちでそれを地で行ってしまった感じがする。
それによってうまく人格を乗せられていないような感じで
俺の主人公の印象は八方美人の気分屋で、密猟者を殺す度に動物を狩る密猟者はごみ同然みたいなコメントをする仙水忍、ケンシロウメンタルなのはとがりがあってちょっと笑えるのだがなーんかずっとこいつは俺じゃないなとかこいつは一体何考えてんだって思いながら遊んでいた。
基本メインもサブクエストもほぼ一本道で結果の選択でセリフが変わるくらいのものがほとんどなので、細かな選択分岐や人格を感じるリアクションなどをしっかり作ってそれに見合ったドラマの流れがしっかり分岐していけば最高だった。
プレイヤーの選択によってもっと気持ちや考え方を深く描写して欲しかった。ざっくり言うとウィッチャー3にして欲しかったって話なんだけど
普段いい人だけど、各村の家でもの盗んで、密猟者が虐殺して、
ゲームの時代でも御法度な許されざる呪文をお構いなしに撃ちまくっても
「それはそれ」ってなってるんでもったいない。
スカイリムみたいにちゃんと罪に問われたりヴォルデモートよりやばいやつになってアズカバンに入れられたりと
闇の魔法使いになっていくルートとか大きくあっても面白そうだなーと
スリザリンのメインキャラふたりが好きでそのクエストは良かったと思うのだが、その他全般がもう一つな内容だった。
まずローカライズについては素晴らしい。完全吹き替えかつ、口の動きも日本語に合わせていて完璧だった。
■外のロケーションの遊びが繰り返し
ホグワーツの外は盗賊のキャンプか謎解き洞窟で敵のパターンはそれほど多くない。
どうしてもかさましや繰り返しに感じる部分はある。
■快適性にちと不満
エリアチェンジで読み込む
装備売却が頻繁すぎてだるい
【点数のざっくりした基準】
10:神ゲー(完成度+独創性)
9:良作の一線を超える(オススメ)
8:良作(安定)
7:少々問題はあるが合格点
6:平凡だが十分遊べる
4~5:低クオリティ、バグ大、コンテンツ少
0~3:残念
テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム
- 2023/03/03(金) 21:34:03|
- ├PlayStation 5
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