【評価 /10】
10点
【評価のざっくりした基準】
10:神ゲー
9:良作の一線を超える
8:良作
6~7:問題はあるが魅力がありオススメ
4~5:不満が多いので人を選ぶ
0~3:残念
【良い点】
偉大な前作に自ら挑み、さらなる高みを目指した傑作
自他ともに世界のゲーマーが認める前作
ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドは、オープンワールドゲームに…もっと言えば現在オープンワールドが主流となっているゲーム業界に大きな影響を現在も与え続けている傑作だと思っている。
その前作が発売したのが2017年。BotW以前、以降という区分けを生み出すほどのタイトルで約6年以上の時が経過し、以降BotWを超えるオープンワールド作品があったか?と言われると、フォロワーは浮かんでも上回る作品はいまだ不在というイメージ。
では、本作ティアーズオブキングダムはどうなのか?
「空島って新たなエリアを追加したBotWのでかいDLCを追加した程度でしょ?」
仮にその通りだとしても記憶を飛ばしてもう一度遊びたいゲームを遊べるだけで十分な高評価になっただろうが、彼らの作るゲームがそんなわけがない。
いざ蓋を開けたら凡人の想像を粉々に打ち砕く驚異のチャレンジを実現し、偉大なる前作を自らの手が破りさる気概に満ちたとんでもないゲームだった。BotWはオープンワールドの常識を破壊したゲームだったが、本作はさらにルールをもっと破壊している。
様々なゲーム開発者がインタビューで「BotWを遊ぶと頭を抱える」というが、その理由はこんなゲーム作ってなんで成立させれるの?という事。
ゲームの多くは1つの正解をプレイヤーが解くのが基本として、自由度が高いゲームでも3つ4つくらいのクリア方法を準備して解いてもらう程度だが、本作は、無限とまではいかないがプレイヤーそれぞれの自由な解き方で無数の攻略が可能なとんでも空間を基本としている。メチャクチャできる空間だけ作りましたなら、なんとかシミュレーターみたいなゲームがあるのだが、それでいてちゃんとレベルデザインが存在し、ストーリーが進行するRPGに組み込んでいて、かつバグを感じずに遊ぶことが出来るなど、素人にはそのやばさが伝わらないようなハードルをいくつも超えてしっかり面白いゲームとして成立させている所が驚異的なのだと思う。
今作その自由の幅を大きく広げているのが前作のリモコン爆弾、ビタロックなどの該当するスキル部分。
本作は好きなものを自由にくっつけて造形出来る『ウルトラハンド』
丸太と木の板を組み合わせて立て看板を作ったり、扇風機やロケットエンジンなあどを組み合わせて空中戦艦までプレイヤーの想像力のままになんでも作れる。移動でも戦闘でも採集でもどんな使い方もプレイヤー次第。
武器を自由にカスタムして自分だけの新武器を生み出せる『スクラビルド』
武器の先っぽに敵の角をつけて強化する基本的なものから、属性付与をしたり、槍の先に槍をつけてとんでもなく長い槍を作ったりと自由自在。これは弓や盾にも可能で、防御しているだけでレーザーを放つ攻撃盾を作ったり、矢に敵の目玉をつけてホーミング弾にしたりと多くの遊びが仕込まれている。
ドラえもんでおなじみ『トーレルーフ』
上方向限定でとおりぬけフープ出来るツール。元はデバックツールだったらしいのだがこんなバグの温床みたいなものを喜々として実装する狂気。洞窟などで使用すると山頂まで抜けたりする便利ツール。戦闘ではでかい岩のモンスター岩ロックの体を抜けて上に乗ることもできる。
物の軌跡を逆再生する『モドレコ』
敵が投げた岩石を相手の手に戻して食らわせたり、空から降ってきた石にのってから使用してエレベーターにしたり、他にも使い方次第で無限の可能性を秘めているツール。
こんなもの入れたら、ゲームデザインが…世界が破綻してしまうようなとんでも能力ばかりなわけだが、しっかりゲームは成立している。いや、一部壊れているかもしれないが…w結果プレイヤーの想像力をどこまでも増幅する体験が実現しており、ただの大型DLCだと思ったらまさかこんな続編になるのかよという驚きが大きかった。
ブレスオブザワイルドがオープンワールドの概念を壊したが、今作はもはや誰も目指していない未踏の荒野に向けて進軍を始めたという感じで唯一無二のゲームになっている。これからも彼らの挑戦が楽しみでしょうがない。
オープンワールドはさらなる世界へ
ざっくり言うと空と地下が追加されている。実質3倍…とはならないのだが、オープンワールドを縦軸に拡張してシームレスにそれらが繋がっているというありそうなない事をswitchのスペックで問題なく実現している。もはや魔法に近い。
個人的には数メートルも見えない道に明かりをともしながら探索する地下が特に好きで地上とは全く違うアプローチになっていてとても楽しかった。
【不満点】
プレイヤー次第で「移動とパズル」の退屈なゲームになりえる
個人的にはブレスオブザワイルドはオープンワールドの基準を変えた傑作と
評価していて、実際その年のGOTYにも選んでいるのだが、一方、反対派の意見として「普通のゼルダがやりたいんだけど」「自由すぎて何していいかわからん」という意見がたしかにあってこれは理解できる。俺も普通のゼルダもやりたい。
他にもオープンワールドのゲームは数多くあれど、なぜこのゲームは微妙という意見が出てくるのか個人的な見解としては、ウィッチャー3やフォールアウトなどはオープンワールドの遊びと同じくらい物語部分に力を入れていてサブクエスト1つとってもドラマの密度が濃くRPGとして物語をしっかり楽しむことが出来るのだが、このゼルダはストーリーイベントは少な目で、どちらかと言えば広大なオープンワールドを自由に冒険したり、思いつくままにクラフトして攻略したり、祠で謎解きをしている部分が大多数の遊びになっている。
その部分の「自由」を活かせない人達にとっては、多くの要素に触れずに淡々と遊んでしまいかねないため、プレイヤー次第で体験に大きな差が出てしまう点だと思う。本作のスクラビルドなどは「自由」をより強くしたもので、想像力のある人がどこまでも楽しく事が出来るだろうが、普通に遊んでいる人はほんのいくつかの基礎的なビルドのみで遊んでしまってクリアまでやってることがそんなに変わらないので退屈に感じる可能性がある。武器防具を接着する遊びも大量のアイテムの組み合わせがあって、凝ると本当に楽しいのだが、ただ攻撃力があがる組み合わせだけ作ってそのままクリアしてしまったという人も多いのではないか?
従来のゼルダの場合はびしっとステージデザインされていて正解もはっきりしているので体験が均一化している分、濃厚な体験を全員に与える事が出来る。本作はプレイヤーに体験を任せている部分が大きいため、SNSなどを活用しながら遊びを考える所を楽しめる人であれば無限の可能性をもつ神ゲーだが、そうではない人にとっては
「移動とパズルばっかりやっててつまらない」寄り道してるうちに飽きてクリア前に辞めてしまったという感想になってしまうのも理解できる。
個人的にはコンセプトが違うというのはわかった上で、キャラクターがとても魅力的なのでもっとキャラ同士の掛け合いやストーリー部分を見たいというのは個人的にも思う。なので、本作幽体が冒険についてきてくれるが、個人的には孤独な冒険を維持することより、生身の仲間キャラがついてきて道中掛け合いがあったり、あれはなんだリンク?とかこんなビルドはどうだ?とかイベントやダンジョンに導いてくれたりヒントをくれたらもっと多くの人を拾えるゲームになるのでは?と思う気持ちもある。
公式サイト
テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム
- 2023/09/30(土) 21:53:34|
- ├Nintendo Switch
-
| トラックバック:0
-
| コメント:1
レビュー楽しみに待っておりました。が、途中で切れてる?
- 2023/10/06(金) 14:05:47 |
- URL |
- 通りすがりのゲ #-
- [ 編集]